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生産者訪問・商品学習会

「あん」づくりにこだわる、山清のおいしい工場見学

最良の〝あん〟づくりにこだわる山清。コープ自然派しこく(オリーブセンター)では、2025年6月10日に工場見学を開催。70名近い応募のなかから、抽選で選ばれた10名が参加しました。

工場見学中、浪越さんから話をきく参加者

あんことからし!?

 株式会社山清は、香川県綾川町で「あんこ」や「からし」を製造しているメーカーです。創業者は大阪で食品メーカーに勤めた後、1938(昭和13)年に独立しましたが、第二次世界大戦で工場が全焼したことから、香川に帰郷して事業を再開。あん餅雑煮やさぬきうどんといった香川の食文化のなかで、最良のあんことからしを求めてきました。〝甘〟〝辛〟〝和粉〟が山清の事業の3本柱です。ちなみに「山清」という会社名は、創業者・山下清三郎の名前が由来です。

職人の技術が光るあんこ

 創業以来一貫して、原材料のおいしさを活かすシンプルなつくり方にこだわる山清。その商品づくりについて、株式会社山清の浪越さんに聞きました。
 コープ自然派で一番人気のつぶあんは、北海道産小豆と、北海道産ビートグラニュー糖を職人技で炊き上げています。直火ではなく蒸気で炊くことで、均一にふっくらと仕上げているのが特長です。「北海道有機小豆使用つぶあん」は糖度40度、「特別栽培小豆つぶあん」は糖度58度と甘さを変えているので、好みで選んでほしいとのことでした。
 また、小豆を使った商品では、小豆ごはんやかぼちゃのいとこ煮にさっと使える「ゆで小豆無糖」や、炊飯器で簡単に炊くだけで赤飯ができる小豆(煮汁と煮豆)ともち米のセット「赤飯祝御膳」も人気です。

あん炊きの様子

辛さがやみつきになるからし

 山清の和からし粉「鬼からし」は、鬼もびっくりするぐらい辛いことから名付けられました。からしは、アブラナ科の植物「からし菜」の種子を乾燥・製粉したものです。じつは種子や粉末をそのまま食べてもあまり辛くありません。粉末に水を加えて練ると、種子に含まれるミロシナーゼという酵素が働いて辛みが出てきます。辛みを最大限に引き出すには、40℃くらいのお湯で練り、空気に触れないようにして5分ほど置くとよいそうです。

有機栽培鬼からし

 日常使いにオススメなのは「有機鬼からし漬の素」。刻んだきゅうりやなすにまぶすだけで、簡単に鬼からし漬ができます。今年から新登場した「鬼からしだし漬けの素」は、5種類のだし粉末を配合。白菜、きゅうり、キャベツ、大根、人参、カブなどお好みの野菜で試してみてください。

鬼からしだし漬けの素

香りと味のバランスを追求したきなこ

 「国産有機きな粉」「国産有機黒豆きな粉」もこだわりの一品。きな粉を直火で焙煎すると香りは引き立つのですが食べた時に少し苦みを感じることがあるそうで、山清では遠赤外線焙煎で大豆の芯から加熱し、香りとおいしさのバランスを追求しています。「きな粉に牛乳と砂糖を加えて練ったきなこスプレットは〝和風ピーナツバター〟のような風味でパンによく合います。ごま和えのごまの代わりにきな粉を使うのもオススメですよ」と浪越さん。

手作りの味で日本の伝統を守る

 山清のものづくりの原点には「日本の伝統の味を守り伝えていく」という決意があります。守るだけではなく次に伝えていくためには、いまの時代に合った食べ方を提案することも必要です。大阪の老舗ごま専業メーカー和田萬の黒ごまを使った「黒ごまあん」や、よつ葉バターを使った「つぶあんバター」のようなコープ自然派の生産者とのコラボ商品も、伝統の味に自信があるからこそできること。「日本の食と食文化を守るために、おいしいものをつくり続けます」という浪越さんの言葉から誇りと熱意が伝わってきました。

よつ葉バターを使った「つぶあんバター」

Table Vol.516(2025年8月)

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