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生産者訪問・商品学習会

大紀コープファーム和田さんと梅仕事♪

2023年7月3日、コープ自然派奈良(理事会ふうど主催)は、大紀コープファームの和田さん、森下さんを招いて梅干しづくりを開催しました。黄緑から黄色、赤っぽい色にグラデーションで色づく見た目、ゆたかに広がる香り……完熟梅の美しさに心ときめきます。

大紀コープファームの和田さん(右)と森下さん。

地域連帯で持続可能な農業生産へ

 大紀コープファームは奈良県五條市にあります。奈良と和歌山の県境にあり、大和の生産者と紀州の生産者が合併してできたので「大紀」コープファームと名づけられました。グループ会社には、加工や物流を担う「パンドラファームグループ」、交流体験と通販事業の「農悠舎王隠堂」、カット野菜を製造する「オルト」、酒造「美吉野醸造」、フリーズドライ加工をする「ポタジエ」などがあります。ポタジエは自然派Styleのフリーズドライみそ汁でもおなじみですね。

 主な生産物は、梅、柿、玉ねぎ。1992年の創業当時からできるだけ有機栽培や特別栽培を推進していること、加工まで自社で行うことが特徴です。加工品は、梅干し、干し柿など約120種類が家庭でつくるのと同じ工程でていねいに作られています。加工品を工夫することで、畑全体をまるごと使う取り組みが実現しています。築150余年の古民家レストランに加え、2021年には柿山の頂上にグランピング場をオープンしました。農業×里山体験をコンセプトにした1日2組限定のドームテントは、土日は予約がいっぱいの人気だそうです。

 産地は、人口減少、農業者の高齢化と後継者不足、農繁期の農業従事者不足、異常気象による収量の減少、傾斜地で農地整備や機械化が難しい、果樹栽培はすぐに収入につながらない、害獣被害の拡大などの問題を抱えています。大紀コープファームでは、新規就農者の受け入れや障がい者雇用、西吉野農業高校から農業実習を受け入れスマート農機を使った収穫や除草の実習を行うなどの取り組みを行っています。障がい者雇用ではその実績が評価され、県内初の「もにす認定※」を受けました。

※もにす認定・・・障害者の雇用促進・雇用安定状況などが優良な中小事業主を厚生労働大臣が認定する制度

梅の実が育つまで

 梅の木は11月頃から剪定を行います。伸びた枝を1本1本切り落とし、翌年たくさんの実がなるように全体のバランスを整える作業です。剪定後、肥料をやります。2月半ばになると、みつばちの巣箱を借りてきて畑に置き、受粉交配をしてもらいます。この時期に花が咲いてみつばちが働ける気温であることがいちばん重要です。そして4月末頃からあたたかくなってくると病気や虫が出てきます。実がやられないよう畑を見回り、的確なタイミングで防除を行います。そして太陽の光を浴び、ひと雨ごとに大きく育ち、たわわに実った実をいよいよ5月末から収穫していきます。収穫はすべて手もぎです。高い場所は脚立を使い、腰カゴをつけて収穫する作業はなかなか大変。収穫が終わるとおつかれさまの意味を込めた肥料をやって、梅栽培の1年が終わります。

コープ自然派とも力を合わせて

 「日本は農業のことをもっと真剣に考えないと、5年後10年後、食べるものがあるかどうか危ないと思う」と和田さん。「コープ自然派とは20年来のつきあいですが、ずっとチャレンジし続けてきた結果がいま約20万人の熱心な組合員組織になっていることは、とても価値あることだと思います」「協同組合のすごいところは、地域経済にお金を回せるところ。大手企業には必ずといっていいほど外資が入っていますが、私たちは日本の中で消費できる仕組み、奈良県の中でできる仕組みを力を合わせてやっていきましょう」と締めくくりました。

企画運営したコープ自然派奈良・左から、奥理事、西村常任理事、重村理事

Table Vol.493(2023年9月)

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