沖縄の透き通った海の恵みと大地の恵みで、「地元もみんなも元気にしたい」という島酒家。「まだ誰もやっていないことに挑戦したい」と、日本で初めて海藻の有機JAS認証を取得しました。今回は、石黒新海さんにそのこだわりをインタビューしました。
──島酒家の特徴は?
石黒 2007年の創立以来、大切にしているのは、ただおいしいだけではなく、生産者の想い、笑顔、愛情の伝わる商品を届けること。必ず生産者の元に足を運び、品質や取り組みなどを確認しています。20名の従業員の平均年齢は30歳。旬のよろこびといのちを届けたいと、若いスタッフたちがチャレンジし続けています。
──海藻有機認証とは?
石黒 2021年に藻類有機JAS認証制度が開始され、翌年12月、「あおさ」と「もずく」で有機JAS認証を取得しました。一定期間以上使用禁止資材に汚染されていない採取場から採取されたもの、養殖の場合は化学的な処理や栄養成分を使用せずに生育された藻類が認証を受けることができます。陸と海の環境を守っていくために欠かせないものです。
──有機もずくのおすすめポイントは?
石黒 奥武島の沖合にあるリーフ湾内で育て、収穫後はすぐ加工場へ。熱や乾燥で品質が低下するため、栽培から加工までワンストップです。新鮮なのでプリッとしていて、コリコリした歯ごたえと、のど越しの良さが特徴。「奥武島産塩蔵有機太もずく」は 塩抜きしてお味噌汁に 入れたり、塩分を少し残して納豆と食べてもおいしいです。
──有機あおさのおすすめポイントは?
石黒 「宮古島産有機乾燥あおさ」は、葉に厚みがあり柔らかいことが特徴です。宮古島漁業協同組合がエメラルドグリーンの海で育て、「有機あおさの会」が加工しています。乾燥あおさは、水で戻すとなんと10倍に!お吸い物や卵焼、あおさ天ぷらもおすすめです。
──もずく漁について教えてください。
石黒 早朝の水温が低い時間帯に海中に潜り、ポンプで吸い上げたり、一部は手摘みで収穫し、船上で選別作業を行います。南城市内の小中学校の給食にも取り入れられています。
島酒家の一番人気「伊平島産味つけ太もずく」は、美ら海の太もずく、沖縄県産シークワーサー果汁など沖縄を堪能できる一品。売上の一部は伊平屋村の子どもたちの教育資金に役立てられています。
Table Vol.504(2024年8月)より
一部修正・加筆