2023年6月27日、コープ自然派京都(商品委員会主催)は、国産小麦を使用した化学調味料無添加ノンカップ麺の学習会を開催。トーエー食品株式会社の鈴木さんと川村さんを講師にノンカップ麺の特徴と誕生秘話を聴きました。
ノンカップ麺は袋入り即席麺です。大きめの器に麺・かやく・スープを入れ、熱湯を注いででき上がり。じつはこの麺、表と裏があるのです!平らな面が表、ギザギザ面が裏です。表を上にして熱湯を注ぎ、器の中に麺が浮くと適量水分だとか。計らなくてよいって楽!
誕生秘話と5つのこだわり
トーエー食品株式会社は日本の真ん中、岐阜県関市にあります。「おいしさを創造してお客様の食生活に貢献する」を目標として、くらしのなかで健康や環境を大切に商品開発しています。1949年創業、当初は下請けをメインにカップ麺や鍋用生麺を製造。1995年、工場見学に訪れた主婦が「カップ麺はゴミが多い、そして目立つ」と声を届けたことからノンカップ麺が生まれました。ノンカップ麺は①環境にやさしく②体にやさしく③安全性④簡便性⑤オンリーワン志向をもつという5つのこだわりを持って開発した自信作です。
麺の原料は至ってシンプル。毎日200㎏前後の北海道産小麦粉と食塩水、国産馬鈴薯でんぷんを撹拌し、こねてローラーにかけ麺帯を作ります。他社は卵、加工でんぷん・増粘剤などの添加物をつなぎに使用するため練り上げがスムーズです。トーエーでは馬鈴薯でんぷんのみのため、その日の気温でまとまらないこともあり、最後は人の手によって調節します。その後、それぞれの形状に裁断して蒸し器を通し、油で揚げることで旨味を凝縮。次に乾燥させ、目視で検品後、金属探知機へ。包材にスープとかやくを同封し重量チェッカーを通して箱詰めされます。
オンリーワン商品
商品開発時、10回程度試作をします。「チキン味ラーメン」は断トツの早さで味が決まりました。化学調味料不使用なので後味がさっぱりしているのに期待を裏切らないおいしさです。お湯の代わりに牛乳を使うとカルボナーラ風に変身し、参加者は感激していました。
「やきそば」は湯切りのためひと手間かかりますが、隠れた逸品。あおさがふわっと香り、無添加だからこそ某有名カップやきそばに負けません。一口食べてファンになる人急増!
ポスティ掲載商品は「純国産具材のきつねうどん」と「国産ねぎの和風そば」2種類です。国産そば粉を使ったノンカップ麺は唯一無二。スープと麺に国産丸大豆醤油を使用しているので香りがワンランク上。そば本来の風味と、関西風のだしがマッチして止まらないおいしさ。スープも最後の一滴まで飲み干したくなります。
「和風カレーうどん」も知る人ぞ知る逸品で、たまごやチーズ、お餅のトッピングがおすすめ。「国産しおやさい味ラーメン」は具材が一番多く、女性に人気です。川村さんは「商品開発で舌が疲れた時も染みる優しさ」と話します。また、トーエーの商品はスープも卵不使用のため、卵アレルギーの方でも安心して食べることができます。
創業以来の蓄積を生かし、今後も挑戦は続く
鈴木さんは「さまざまな企画にチャレンジしてきましたが、現在は米粉麺に挑戦中です。国産産地の拡大も行っています」と話します。また、食品製造業として、FSSC22000も7月末に取得。次はRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)認証パーム油の導入も視野に入れています。どこまでも進化し続けるトーエーの取り組みとノンカップ麵に期待が高まり、商品をより好きになる機会となりました。
Table Vol.493(2023年9月)より
一部修正・加筆