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くらしと社会

ホットデータを見てみよう!

商品カタログなどとともに毎週配布されるコープ自然派ホットデータ。モノクロの地味なチラシなので紛れてしまいがちですが、放射性物質の検査結果が表裏びっしり記されています。2018年5月28日(月)、コープ自然派兵庫(ビジョン未来主催)では、ホットデータの見方を学びました。

自身の体験を話しつつ、ホットデータの見方を丁寧に説明するコープ自然派兵庫・正橋常任理事。

コープ自然派の取り組み

 参加者の自己紹介後、コープ自然派の脱原発の取り組みを振り返りました。1970年代、コープ自然派の前身である四国・関西の共同購入会は伊方原発出力調整反対運動などに多数の職員・会員が参加、その後、六ヶ所核燃再処理工場反対運動にも取り組んできました。 

  「コープ自然派兵庫では、鎌仲ひとみ監督の『ミツバチの羽音と地球の回転』上映会を行い、原発NO!の声を上げなければと話していたところに福島原発事故が起きてしまいました。私は福島原発事故は自分自身にも責任があると思いました」と正橋常任理事。コープ自然派兵庫では、「なでしこ原っぱ(東西)チーム」が結成され、放射能問題を学んだり、避難者の声を聴く活動などに取り組んでいます。また、コープ自然派各生協の代表者から成る脱原発ネットワークは脱原発ツアーや学習会、講演会などを活発に行っています。

放射能検査体制の経緯

 コープ自然派では、福島原発事故直後から放射性物質の検査を実施しています。当初はサーベイメーターによる全商品を対象としたスクリーニング検査を行い、詳しい検査が必要な商品については外部機関に検査を依頼していました。その後、シンチレーション型検出器LB200を導入して内部検査を実施、しかし、放射能の核種が不明確なため外部機関の検査と併用していました。

 2011年12月、核種の測定に対応したシンチレーション型の検査機器TS150Bを導入(〜2015年8月)。さらに、検査速度を向上させるため、2013年11月、シンチレーション型検査機器EMF211(50-1L)を導入(検出限界値3~5Bq/㎏)、2015年12月にはシンチレーション型検査機器EMF211(100-2L)を導入して(検出限界値2~3Bq/㎏)、現在、2台で測定しています。

 その間には内部被ばくに関するリーフレット制作(3回)、コールセンターを設置して組合員の不安に応えました。また、山本太郎さん出演のテレビCMで脱原発を訴え、商品案内「ポスティ」では「原発のない社会へ」の一文を明記しました。

放射能検査体制の現状 

 これまでに主にきのこ類から放射性物質が検出されたため、きのこ類については全種類を検査対象としています。特に原木しいたけについては数回検出され、出荷対象地で事前検査を実施した後、問題のない産地を指定して出荷する体制を調えています。水産品についても原則として全種商品を検査。PB商品、畜産品、農産品、お菓子類、フリーページ掲載商品、セール 品、乳製品などは優先して検査しています。米は年1回、全種類を検査。パン、味噌、醤油など、毎日食べるものは優先して検査してほしいとの組合員の要望にも応えています。国の検出基準値は一般食品で100Bq/㎏、東日本の生協では検出基準値が高くなっているようです。

 検査結果は、コープ自然派ホットデータにて報告。組合員の要望で配布カタログに登場する商品から検査済み商品を抜粋して紹介、原木しいたけについては専用枠を設けています。

よく知って選択すること 

 当日は、加入2ヵ月目の組合員、コープ自然派のイベント初参加という組合員、福島原発事故時は茨城県で暮らしていたという組合員、赤ちゃんづれ組合員などが参加し質問や要望などを出し合いました。「検出されたときはどのように対処しているのか」「検査サイクルはどうなっているか」「きのこ類は産地に関係あるのか」「国はどのように対処しているのか」「しいたけ以外のきのこ類からも検出されたのか」「水産品は安全か」などの質問が出されました。 また、「カタログに検査結果を掲載できないか」「ホットデータをもう少し読みやすいデザインにできないか」などの要望もありました。茨城県から転居したという組合員は、西日本では放射性物質に対する意識が薄れているのではないかとの意見も。正橋常任理事は、「まずは現状をよく知ること、そして、自身が何を選択するかが大切。そのためにホットデータをしっかり活用してください」と話しました。

 コープ自然派では、検出が確認されたものは供給しないことを原則として、万一検出された際には組合員への対応を迅速に行う体制を整えています。

Table Vol.370(2018年7月)

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