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くらしと社会

「さよなら原発1000人集会」in伊丹

2019年12月1日(日)、「第8回さよなら原発1000人集会」がいたみホール(兵庫県伊丹市)にて開催されました(コープ自然派兵庫は呼びかけ団体)。集会では、元福井地裁裁判長・樋口英明さんと福島原発告訴団団長・武藤類子さんの講演、市民アピールなどが行われました。

(左)「福島原発事故を体験したわれわれは原発を止める責任がある」と樋口英明さん。 (右)福島では子どもたちへの放射能安全教育が進行していることに心を傷める武藤類子さん。

死に至る病を抱えた日本

 樋口さんは、2014年、大飯原発の運転を差し止める判決を言い渡しました。その理由は、「原発はとてつもなく危険だから」。樋口さんは2000年以降の主な地震を列挙します。ここ20年で日本ではたくさんの地震が発生しています。しかし、電力会社は「大飯原発の敷地には700ガル以上の地震は起きない」との「仮説」を立てています。昨年起きた大阪北部地震は800ガルです。日本はまさに「死に至る病」を抱えていると樋口さん。福島原発事故で被害の大きさがわかり、従来の耐震設計は基準が低すぎることもわかりました。また、「死の灰」である使用済み核燃料は処理できないこともわかりました。「原発を止める責任者は、総理大臣、原子力規制委員長、地元の県知事、地元の市町村長、裁判長。そのうち一人でも反対すれば原発は止められますが、止めない。ならば、住民の力が必要です。40年前、私が暮らす三重県では、芦浜原発建設を住民が中心になって止めました。非力であることは無力ではない、私も全力で頑張ります」と樋口さんは話しました。

東電元幹部は全員無罪に

 福島県三春町に暮らす武藤類子さんは「東電刑事裁判」について話します。2017年8月から37回の審理が続いたこの裁判を武藤さんは傍聴してきました。東京電力は2007年の柏崎・刈羽原発事故で赤字になったため福島原発の地震・津波対策を先延ばししまた。そして、福島原発事故が起きてしまいました。これらの証拠・証言は裁判で詳しく提出され、語られましたが、東京電力元幹部は全員「無罪」。「メールは見ていないし、報告も聞いていない」「原発の安全性の責任は現場にある」など元幹部の無責任な発言が続きました。現在、2万人の署名をつけて控訴中です。

 武藤さんは福島の現状についても報告。台風19号は福島県を縦断し、多くの市で川が氾濫、除染されていない森林からの水で土壌の放射線濃度が高くなっています。福島原発にある高さ120メートルの排気塔は倒れる危険性があり、遠隔操作ではうまくいかず、人の手を使って撤去しようとしています。現在、作業員6000人が過酷な被ばく労働に従事し、ベトナム研修生は知らされないまま働かせられたということです。また、汚染土の再利用が始まり、全国化されようとしています。

 福島県は区域外避難者に対して2019年3月末で家賃補助の打ち切りを通告、応じない人には家賃2倍の罰金、退去命令を求めて提訴しました。そして、オリンピックを最大限利用して「原発事故は終わった」とキャンペーン。武藤さんは自然に寄り添い、電気をあまり使わないささやかな暮らしをしていましたが、原発事故で多くのものを失いました。でも、「大人の責任として原発をなくすために闘います」と決意を表明しました。

 講演後は、「Go West Come West !!!」「関西電力の原発マネー不正還流を告発する会」「老朽原発を動かすなリレーデモ」のメンバーが力強くアピールしました。

Table Vol.407(2020年1月)

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