2018年5月21日(月)、コープ自然派おおさか(いずみブロック運営委員会主催)は環境学習会を開催。NPO法人エコサイクルネットワーク・小玉敏子さんと岸本智子さんを迎えて、 エコ掃除講習&針山づくりを楽しみました。
日本では年末に大掃除を行う習慣がありますが、欧米では冬の間に使用された薪や石炭などのスス払いとともに春に大掃除を行うのが一般的で、「スプリング・クリーニング」と呼ばれています。梅雨がある日本では、ホコリやチリがカビと雑菌増殖の原因になることから、初夏の大掃除がおすすめとのこと。気温が高いと汚れが落ちやすく、衣替えと合わせてクローゼットなどの掃除もしやすく、外や水周りの掃除も楽です。
小玉さんは自然環境に負荷をかけないナチュラル洗剤を使用したエコ掃除をすすめています。ナチュラル洗剤とは、重曹、クエン酸、酢といった食品添加物や食品としても使用でき、手肌に優しく安価なものです。重曹は発泡力、消臭力(タバコや生ゴミなどのアルカリ性の匂いを消臭)、中和力(水を軟らかくする)、研磨力(水を含むと角が取れて傷つけにくくなる)などの性質を利用して油や皮脂、湯垢など酸性の汚れを中和します。クエン酸は、溶解力(カルシウムや金屬のサビなどを溶かして落とす)、洗浄力、中和・消臭力(アルカリ性の汚れに効果を発揮して匂いを中和する)、柔軟力(衣類の黄ばみを防止し洗濯物を軟らかく仕上げる)といった特徴を利用。酢は、中和・消臭力(生臭さやアンモニア臭などアルカリ性の匂いや汚れを中和)、殺菌・抗菌力(微生物の繁殖を抑え、カビに強い)、還元力(金屬を錆びにくくする)などの力を持ちます。
これらのエコ洗剤を利用した具体的な掃除方法として、冷蔵庫などの電気製品や換気扇は汚れを重曹水で落とし、窓ガラスは新聞紙で汚れとくもりを落として最後に酢水で仕上げます。排水口は重曹(1カップ)をふりかけ、酢(2分の1カップ)を少しずつ流し込むと激しく泡立ち、2時間後にお湯で流すと魔法をかけたように汚れが落ちます。風呂やトイレは重曹で汚れを落とした後、クエン酸をかけて殺菌・消臭。エアコンや冷蔵庫などの電気製品はこまめに掃除しておくと電気代の節約になるということです。
「子どもが触れる場所だから、市販の洗剤は使いたくないですね」と参加者のみなさん。「重曹はふくらし粉や入浴剤代わりにも使えるよう食品用を使用しています。台所では新聞紙などであらかじめ油汚れを拭き取ってから洗うなど、 油を流さないよう排水口の掃除をこまめにしてください。下水処理や環境を意識して生活していただけるとうれしいです」と小玉さんは話しました。
Table Vol.370(2018年7月)