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くらしと社会

地球を脅かす化学物質~新型コロナウイルスについて学ぶ~

コープ自然派しこくは、2020年度特別決議「複合汚染〜考える種を蒔いてゆく〜」に基づき木村‒黒田純子さん(環境脳神経科学情報センター医学博士)講演会を4センターで開催。2021年1月30日(土)、コープ自然派しこく・えひめセンター(理事会主催)では「腸内細菌」「新型コロナウイルス」「香害」をテーマに講演、紙面では喫緊の問題である「新型コロナウイルス」について報告します。

※イメージ

新型コロナの消毒・除菌

 新型コロナウイルスはRNAを遺伝子に持ち、RNAは突然変異が起きやすいため、変異型が出現しています。新型コロナウイルスは脂質膜を持つので、石けんやアルコール消毒、加熱処理などが予防・消毒に有効です。手指の消毒には、石けんによる手洗い、アルコール消毒(エタノール最適濃度70%)。物品の消毒には、80℃以上の熱水に10分間さらし、アルコール消毒、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)、界面活性剤を使います。合成界面活性剤は生態毒性があるものが多く、天然の純石けんがおすすめです。次亜塩素酸ナトリウム液は毒性もあるので注意が必要。また、次亜塩素酸水は次亜塩素酸ナトリウムとは性質が異なり、不安定な物質であるため実用的ではありません。不要な添加物入りの消毒剤は避け、過度な手洗いやアルコール消毒は体の粘膜や皮膚にダメージがあるのでほどほどにしましょう。消毒剤が子どもの目に入る事故が多発しているようです。消毒剤は基本的に人体にも毒性があるので注意しましょう。また有人における空間消毒は避けましょう。消毒剤を常時吸い込むのは危険です。

ワクチンの添加剤

 ワクチンはまず、添加剤が懸念されます。エチル水銀は水俣病を起こしたメチル水銀と違い神経毒性は少ないですが、水銀のような毒物は入らない方が良いとされ、使用は減っています。しかし、現在インフルエンザなどのワクチンは、エチル水銀を使用しているものがあるので確認しましょう。アルミニウム化合物は、ワクチンの抗原性を高める補助剤として多用されてきました。アルミニウムは神経毒性が確認されているため、含まないワクチンが望まれますが、不活化ワクチンやペプチドワクチンの効果を高めるために、破傷風、子宮頸がんワクチンなどに添加されています。新型コロナウイルスのワクチンでも、不活化ワクチンやペプチドワクチンには添加剤が使われます。それぞれのワクチンは受けるベネフィットとリスクを個々に考え、接種するか否かを判断する必要があるのではないでしょうか。

未知の遺伝子ワクチン

 新型コロナウイルスで使用される遺伝子ワクチンは、今までに使われたことがない初のワクチンでわからないことがたくさんあります。現在、「ファイザー社(米国)・ビオンテック社(独国)」のRNAワクチン、「モデルナ社(米国)」のRNAワクチン、「アストラゼネカ社・オックスフォード大(英国)」のアデノウイルスベクターDNAワクチンが世界で先行接種されています。突起(スパイク蛋白)をつくる設計図である遺伝子を人間の細胞内に入れて、それを元にスパイク蛋白を合成させて抗原とする仕組みです。従来の不活化ワクチンなどで必要とされた防腐剤や補助剤は使用されていないので期待もありますが、予測できない副反応も懸念されています。心配されている副反応には、アナフィラキシー反応、数週間後に起こる神経障害・神経麻痺など、感染を広げ炎症反応を増強して重症化を起こす抗体依存性感染増強(ADE)があります。改正予防接種法でワクチン接種の努力義務が課せられましたが、受けない自由もあります。

 最後に、木村‐黒田さんは、「新型コロナウイルスのパンデミックは、人間が地球上の至る所で開発を進めて環境破壊を起こし、地球生態系のバランスを崩してきたことが関わっています。私たち人間は、ひとつの生物として自然に沿った生き方を再度見直す必要があるのではないでしょうか。農薬など有害な人工化学物質や危険な原発に頼る生活を見直し、別の道に進まねばならないと思います。できることからやりましょう」と話しました。

「新型コロナウイルスの情報は流動的なので、今後の推移も注視しましょう」と講師の環境脳神経科学情報センター医学博士・木村-黒田純子さん。なお、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議HPから、新型コロナウイルスの詳しい記事や香害のパンフレットなどがダウンロードできます。

Table Vol.439(2021年4月)より
一部修正

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