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わくわくキッチン「諦めたらおわりなのだ!?」うのまきこ

 高校時代、毎朝一緒に通学した友人がいる。電車の中で偶然知り合い、学校までの小1時間は楽しいおしゃべりタイムだが、3年間クラスも部活も別で、遊びに行く機会もなく卒業。別々の大学に進んでから、なぜか時々飲みに行くようになった。もう30年も前のこと、どういう経緯で夜遊び仲間になったのかお互い覚えてないが、今になって思うと私たちは女子大生の皮をかぶったオッサンキャラという共通点があったのだ!世の中がバブルで浮かれ、女子大生たるものデザイナーズブランドを身に着け、ワインバーで本物のオッサンを転がすのが嗜みだったあの頃、私たちはわざわざ鄙びた居酒屋を探索して熱燗をすすり、ハイボールだけは絶品の雑然とした音楽バーで駄菓子をアテに古いLPに耳を傾け、最後はお決まりのバーに寄って軽く傾いたカウンターでジントニックを飲み、マスターにそろそろ帰れ!と叱られるコース。あぁ思い出すだけでワクワクだ♪

 その後、遠方に居を移した彼女とは疎遠な時期もあったが、今でも緩くつながっていて、年明け久しぶりに超長電話を楽しんだ。その時、私が「4月から娘が名古屋で働くねん」と言った途端、「なんで名古屋??日本中旅したけど、唯一もう行きたくないのは名古屋だよっ!美味しい物何もない!!」と罵詈雑言悪口三昧。あ…名古屋関係者の皆さん、どうか最後まで読んでくださいね!子なし仲良し夫婦の彼女たちは旅行が長年の趣味で、行く先々の特産物や名物料理を地元に愛される老舗居酒屋で食べ歩くのがライフワーク。そして事前リサーチも上手なのか、かなり辺鄙なエリアに行ってもハズレなく旨いもんに出会えるそうな。ところが…(以下略)

 グルメカップルの意見は気になるが、私としては「愛・地球博」に行った時、当時の自然派理事仲間の愛知関係者KちゃんやSちゃんお薦めの店で食べた「ひつまぶし」も「きしめん」も「味噌煮込みうどん」もすっごくおいしかったんだよね。だけど出張の時に適当に選んだ店でいただいた「味噌おでん」や駅弁の「味噌カツ」は口に合わず。赤味噌大好きだけど、こりゃダメだ二度と食べない!と決めていた。ところが最近、娘が人事の方に教わったお店で味噌おでんと味噌串カツに再チャレンジしたらめちゃめちゃ美味で驚いた♡一度や二度ハズレたからって諦めたらあかん。そして店探しはネットより原住民。コロナが落ち着いたら、友だち夫婦も誘って名古屋メシ堪能旅がしたいな~。

うのまきこ|UNO Makiko
料理研究家。食品メーカーで新製品開発等に従事したのち、料理研究家・古川年巳氏に師事。わかりやすいレシピと、野菜をたっぷり使ったヘルシーで簡単な料理に定評がある。アトピーっ子のための簡単な除去食メニューも得意。コープ自然派奈良元理事長。

Table Vol.438(2021年4月)

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