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くらしと社会

コミュニケーション術の磨き方

2020年6月30日(火)、コープ自然派おおさか(LPAの会主催)は「Home to Work」・入沢紀子さんを講師に講演会を開催。
人材育成コンサルタントとして活躍する入沢さんに子育てや家庭でのコミュニケーション術について聴きました。

プランナーグループ「Home to Work」・入沢紀子さん。著書に「どんな部下でも成長する最強の面談術」(言視舎)があります。

家庭と職場、悩みは共通

 入沢さんはコミュニケーション&マナー講師として企業研修を7年間、親子・家族がテーマのセミナー活動を13年間続けてきました。活動の中で、職場と家庭のコミュニケーションに関する悩みが同じであることに気づきます。例えば、「部下のやる気がない」という上司の悩みと「子どもが受験勉強をしない」という親の相談、「上司が話を聴いてくれない」という部下の悩みと「夫が話を聴こうとしない」など。同じ悩みであれば解決方法は同じではないかと考えた入沢さんは、家庭内でコミュニケーション術を身につけ、社会で実践するというスタイルをつくりました。今回の講座では、子どもが社会で愛されるためのコミュニケーション術を紹介します。

 「家族に笑顔で挨拶していますか?」との入沢さんの質問に、「友だちや地域、職場の人にはできるけど家族には…」と参加者たち。最も難しいのが家族とのコミュニケーションで、家族に対してはつい甘えが出るため衝突しケンカになりがち。つまり、家族とのコミュニケーションが円滑にできれば、誰とでも上手に交流できるということです。「コミュニケーションは練習で上達します。家庭でトレーニングしましょう」と入沢さんは話します。

進行役のコープ自然派おおさかLPAの会・宮田美穂さん。

3つのスキルで幸せ家族

 コミュニケーション術には「認める」「聴く」「アサーティブ・コミュニケーション」の3つのスキルがあります。これらを使って、会場でワークを行いました。

★スキル1「認める」

 「認める」には、「成果承認」(良い結果に対して行う)、「変化承認」(成長過程の変化に対して行う)、「存在承認」の3種類の承認があります。なかでも、”あなたがここにいるだけで私はうれしい“と存在そのものを認める「存在承認」が最も重要。自分から挨拶をする、笑顔で大好きというメッセージを発する、アイコンタクトをとる、どんなに小さなことでもありがとうと言う。そして、ポジティブ・フィードバックのワークでは、家族の1人について2分間で思いつくだけ「いいところ」を書き出します。5個以上書き出せた人はいいところ探しが得意、少ししか思いつかない人は完璧主義。「ごはんをたくさん食べる」などOKラインを下げるとたくさん長所が見つかります。

★スキル2「聴く」

 人は自分の話を聴いてくれる人を信頼し、話を聴いてくれる人の話を聴きます。参加者同士ペアになり、悪い聴き方と良い聴き方を体験。相手を否定・反論しながら聴くと、話す方はムキになる、疲れるなど話しにくくなります。柔らかい表情でアイコンタクトをとリ、質問を交えながら聴くと、話す方は冷静に発言できることを体感しました。「話を聴くことは、相手の心を抱きしめることです」と入沢さんは話します。

★ スキル3「アサーティブ・コミュニケーション」(相手の気持ちを尊重しつつ、自分の気持ちを真っすぐに伝えるスキル)

 アサーティブ・コミュニケーションを使い、「リビングにパジャマを脱ぎっぱなしにする子どもを叱る」というワークを行いました。前置きから始まり、事実を伝え、「なぜ、リビングで脱ぐの?」と相手の言い分を聞く、そして、困っていることなどを冷静に伝えます。「朝は忙しいもんね」など共感やフォローをした上で、子どもに改善策を考えさせ、アドバイスやエールなどを送ることも大切。自分の気持ちを伝えるだけでは子どもは聴き入れません。伝えたいことがある時ほど相手の話を聴くことが大事だということです。

新型コロナウイルス感染症対策として換気や人との距離などを十分に配慮して開催されました。

Table Vol.428(2020年11月)より
一部修正・加筆

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