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くらしと社会

コープ自然派脱原発ネットワーク連絡会報告

 コープ自然派は原子力発電所のない社会の実現を目ざし、福島第一原発事故直後から食品の放射能検査の実施と情報公開を行っています。2020年3月25日(水)、コープ自然派脱原発ネットワーク会議が行われ、2020年度の活動計画などについて話し合いました。

現在、コープ自然派脱原発ネットワークは、コープ自然派事業連合・コープ自然派各生協の代表者13名で活動しています。

放射能廃棄物の地層処理

 予定していた「岐阜ツアー」が新型コロナウイルス感染症の影響で延期になりました。岐阜県に近接する若狭の原子力発電所(関西電力美浜発電所、日本原子力研究開発機構高速増殖炉もんじゅ、日本原子力発電敦賀発電所)が事故を起こした時に影響を受ける可能性がある生産者「トーエー食品」(ノンカップ麺)、「アルファフードスタッフ」(国産・有機などこだわり製菓製パン材料)、「小杉食品」(国産有機納豆)の見学、東濃地科学センター地上施設見学、地元で脱原発の活動を行っている市民との交流・学習会を行う予定だったバスツアーです。

 東濃地科学センターは、各原子力発電所で排出される使用済み核燃料から青森県六ヶ所村にある「六ヶ所核燃再処理工場」で、ウランとプルトニウムを取り出し、残った高レベル放射性廃棄物をガラスと混ぜて固めたものを地下数百メートルの地層中に埋設処分するために超深地層研究を行う施設です。結晶質岩(花崗岩)を対象とした岩盤の強さ、地下水の流れ、水質などの調査研究を行っていましたが、現在は、閉鎖に向けた行程に入っています。

 昨年末、個人的に地下200メートルの坑道を見学したメンバーたちは、「地下坑道では、絶え間なく地下水が流れ込んでいるのが至る所で見え、『毎日25メートルプール2杯分の地下水を汲みだしている』との説明が実感できた、日本中どこも地下水脈があり、地層処分は無理だと感じた」とのこと。ガラス固化体にするのもうまくいっていない中、核のゴミが増え続ける原発の運転を止めないことが信じられないと話しました。また、そもそも六ヶ所核燃再処理工場はまったく稼働できない状態なのに、1993年の着工後、2006年にアクティブ試験(使用済燃料を用いた試験)が行われ、延期に次ぐ延期で未だ本格稼働されていません。

脱原発とエネルギー問題

 連絡会メンバーから「電気がなくても、人は死なない」(木村俊雄/著)」、「これって本当に”エコ“ですか?( 小林公吉/著)」などのエネルギー問題について考えるきっかけとなる書籍が紹介されました。また、著者の木村俊雄さんの学習会、「子ども脱被ばく裁判」を支える会西日本代表・水戸喜世子さん、東京電力福島第一原子力発電所事故調査委員会委員・崎山比早子さんの講演会、「12人の絵本作家が描くおうえんカレンダー」の取り扱いなどが提案されました。カレンダーは昨年末にカタログで販売され、保養(放射能の危険性の少ない地域で心身ともにリフレッシュしてもらう活動)を支援する全国の団体のネットワーク「311受入全国協議会」に収益金を寄付、保養の大切さを伝える取り組みになっています。また、コープ自然派が進めている商品政策「国産オーガニック」の定義の中に”放射能汚染の排除“を明確に示すよう理事会に提案することが話し合われました。

Table Vol.417(2020年6月)

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