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くらしと社会

「子ども食堂」と私たちの地域・社会

2022年1月16日(日)、徳島こども食堂ネットワークはNPO法人設立記念事業として「こども食堂フェスタ」を開催(コープ自然派しこく共催)。当日はさまざまな催しとともに、NPO全国こども食堂支援センターむすびえ理事長・湯浅誠さん(東京大学特任教授)の講演も行われました。

※イメージ

 「子ども食堂」とは子ども専用食堂ではなく、子どもから高齢者まで地域のみんながともに育つ居場所だと湯浅さんは定義します。そのためには、徒歩で通えるよう、少なくとも全小学校区にあることが望ましく、多くの人が関わることで居場所が増え、地域を担っていこうという人が増えるのではないかと湯浅さんは話します。地域を担っていこうという人が増えると、地域の活性化につながります。

 先日、湯浅さんは滋賀県米原市の湖北子ども食堂「Liaison(リエゾン)」1周年記念のワークショップに参加しました。子どもたちが寄せ書きをし、中心に大きく湖北子ども食堂「Liaison(リエゾン)」を「これからも大切にしていきます」と書かれていました。湯浅さんは小学3年生の子が「いつもありがとう」ではなく「大切にしていきます」と書いたことに感動、「子ども食堂」が子どもたちにとってなくてはならない場所だという気持ちが込められていると話します。そして、「そういう場所を知った子は、大人になると今度は自分が小さい子たちの面倒をみよう、恩送りをしようということになるのではないでしょうか」と話します。

 近年は自然災害が頻発し、果たして人類がこのまま地球上で暮らし続けられるかが懸念されています。また、地域コミュニティが維持できるかどうかも危ぶまれています。「キーワードは『持続可能』で、国連はこれに対して、『誰一人取り残さない世界をつくることが人類が地球上で暮らし続けるために必要』と提起しています。それはエネルギーにおいても考えなければならないことで、海面が上昇した国がどのようにしたら海に沈まないでいられるかを考えればあるべきエネルギーの選択が見えてきます」と湯浅さん。地域づくりにおいては、「子どもから高齢者までともに育つような居場所を増やすことで貢献できるのではないか。そして、そこで育った子たちが次の担い手になってくれるのではないか。このような活動を広げるのは誰かのためであり、自分のためでもあり、つまり自分がどういう地域で暮らしたいかということではないでしょうか」と湯浅さんは話しました。

Table Vol.458(2022年2月)より
一部修正・加筆

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