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食と農と環境

オーガニック・エコ・フェスタ2020 in 徳島①「協同の力で食と農の未来をつくる」

2020年2月22日(土)・23日(日)・24(月)、「オーガニック・エコ・フェスタin徳島」が開催され、市民と生産者が有機農産物の魅力をアピールしました。Tableでは、22日の催しの一部を紹介します。

協同組合の連携を推進

 今年で9年目を迎える「オーガニック・エコ・フェスタ」。小松島市のJA東とくしま産地直売所「みはらしの丘あいさい広場」では、生産者や組合員による約50のブースが並び、食に関する講師陣による多数のイベントが企画されました。23日には小松島市ミリカホールで農業従事者向けの有機農業技術会議が行われ、野菜の栄養価コンテストなどが開催されました。

 「あいさい広場」・農業研修室で行われた開会式では、実行委員長の荒井義之さん(JA東とくしま)が挨拶しました。荒井さんは今年のテーマ「生活協同組合の強化」「有機栽培技術の確立と普及」「食と農を通じた次世代教育」を掲げ、エシカル消費や食品ロスの取り組み、オーガニックを通じてSDGs目標達成につなげていくことを宣言。「協同組合の思想と実践がユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、協同組合が社会的な課題を解決する仕組みとして国際的に評価が高まっています。生産と消費を結びつける産直所を交流の場とし協同組合同士の協働を実践していきましょう」と呼びかけました。

 続いて、コープ自然派事業連合・岸専務理事が来賓挨拶に立ちます。「オーガニック・エコ・フェスタ」第1~2回実行委員長を務めた岸専務理事は当時をふりかえり、「1回目から続く野菜の栄養価コンテストは、当初、出品数
50アイテムでしたが、現在は500アイテム以上に増え、全国的な取り組みになっています。NPOとくしま有機農業サポートセンター設立は、地域のJAと生協の架け橋となり、多くの若手生産者がオーガニックを目ざすきっかけになりました。今後は私たちの取り組みが参考事例となって日本のオーガニックの発展を牽引していかなければなりません」と話しました。

3日間にわたって開催された「オーガニック・エコ・フェスタ」開会式で来賓挨拶をするコープ自然派事業連合・岸専務理事。

BLOF理論で家庭菜園

BLOF理論による「家庭菜園講座」の講師を務めた日本有機農業普及協会コンサルタント・神川健太さん。神川さんは硝酸態窒素不検出、サプリメントに匹敵する抗酸化力、スイカ並みの糖度の小松菜を栽培する生産者でもあります。

 同会場で行われたBLOF理論(科学的・論理的に行う有機栽培技術)に基づいた「家庭菜園講座」では、日本有機農業普及協会コンサルタント・神川健太さんを講師に高品質・多収穫の野菜づくりについて学びました。神川さんは2016年オーガニック・エコ・フェスタで糖度12.3度の小松菜を出品してグランドチャンピオンを受賞しています。

 植物にとって必要な栄養素は水、炭水化物、ミネラルなど。畑の土壌の栄養成分を調べて分析し、足りない成分を補い、過剰なものを控えることが重要です。土壌分析と施肥設計で光合成による炭水化物の生成を最大限に引き出し、炭水化物が結合した有機窒素であるアミノ酸肥料を使うことで炭水化物の使用を節約、病害虫に強く高品質多収量が実現できます。さらに、植物は水溶性炭水化物を根から吸収できます。また、太陽熱養生処理により土壌の団粒化を形成(ふかふかの土)して根張りが向上し、土壌病害菌抑制、水溶性炭水化物の供給が旺盛になるということです。

食べて考える環境問題

 キッチンスタジオでは、「子ども食堂」や「みそ玉づくり」などが企画され、多数の家族連れが参加しました。子ども食堂では、あいさい広場の産直市から出た余剰品やB級品を使用したワンプレート・コロッケ・ランチがふるまわれ、参加者たちはフードロスについても学びました。みそ玉づくりは、だしソムリエ協会認定講師・河口晶さんからみそ玉づくりとだしについて学び、有機野菜を使った軽食をいただきました。

だしソムリエ協会認定講師・河口晶さんによるみそ玉づくりでは、日本最古の発酵調味料とされるみその豊富な栄養についても学びました。

Table Vol.415(2020年5月)

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