Table(タブル)はコープ自然派の情報メディアです。

くらしと社会

【寄稿】地域から食と農、暮らしを変える=大川智恵子(NPO自然派食育・きちんときほん代表/コープ自然派事業連合・元理事長)

緊急事態宣言が発せられて2週間目の2020年4月22日(水)、NPO自然派食育・きちんときほんの代表で、コープ自然派事業連合・元理事長の大川智恵子さんに近況と現在の思いを寄せてもらいました。

茨木市内で有機ゴマなどを栽培。地域から食や農、暮らしを変えたいと仲間たちとともに努力しています。

暮らしを問い直す機会に

 新型コロナウイルス感染拡大で自宅に籠る日々が続き、ストレスも溜まっています。しかし、またたくまにウイルスが世界中に蔓延してしまうというグローバル経済社会の問題点も突きつけられました。そして、今後どのような社会を目ざすのか、改めて問い直される機会となりました。コープ自然派が掲げる「食と農と環境を守り、食糧自給率を高めること」の大切さはコロナ禍でさらに鮮明になっています。

 感染拡大を避けるために、企業ではテレワークやWEB会議などが行われ、自宅での仕事の推進や、時差通勤による満員電車の緩和といった努力が続けられています。コープ自然派でも業務会議をはじめ理事会や連合商品委員会などでWEB会議を行っています。これを機に、もっとWEB会議を活用したいものです。もちろん、直接、顔を合わせて話し合うことは大切ですが…。

地域の暮らしを変える

 私たちが望むのは「いのちを大切にする社会」。「緊急事態宣言」下での業種制限や解除をめぐって、経済といのちの重さが天秤にかけられていますが、そもそも人が暮らすために経済はあり、いのちを守ることを最優先することは当然です。

 しかし、コロナ対策に成功している諸外国と比べると、日本は打つ手が遅い上に迷走し、現政権の脆弱さを露呈しているかのようです。政治と医療界の綱引き(忖度)も見て取れ、ここでもリーダーの資質が問われます。それを許してきた私たちの責任もあるのですが。

 コロナ禍では、感染しても重症にならないよう免疫力アップの食やウォーキングが見直されました。私は普段から野菜をたっぷり摂り、毎夕、ウォーキングに励んでいますが、改めてその大切さを痛感しています。また、40年近く続けてきた味噌や梅干しづくりでも心強いものを感じています。

 茨木市内の山間部・忍頂寺にある畑で、仲間たちとともに有機ゴマや野菜を栽培しています。今は玉ねぎを育てているところですが、コロナ禍でも草取りなどに励み、良い気分転換になりました。茨木市では、地元の農業を振興するため、「準農家」支援を行っています。今年度、その支援のために、コープ自然派おおさかの協力を得て、助成金事業の認定を受け、オーガニックビジネス拠点づくりの講座を開催します。また、畑で栽培される有機ゴマを学校給食に使ってもらえるよう働きかけるなど、地域から食と農、暮らしを少しでも変えていきたいと思っています。今こそ、「NPO自然派食育・きちんときほん」の出番ですね。

 7月に「NPO自然派食育・きちんときほん」10周年記念事業として、劇作家・平田オリザさんと豊岡市・中貝市長の対談をメインとした記念集会を開催する予定でしたが、コロナの感染拡大を避けるため、WEBでの配信を準備しています。その時はお知らせします。

2016年に「NPO自然派食育・きちんときほん」メンバーなどが豊岡市を訪問したときの写真です。前列右が大川さん。

Table Vol.416(2020年5月)

アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
MONTHLY
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3

アーカイブ

関連記事

PAGE TOP