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わくわくキッチン「今年こそ梅仕事」うのまきこ

 長引くステイホームで、ガーデニングやお菓子作りなど、外出せずとも家族で楽しむためのグッズがよく売れているそうです。掘ったり埋めたりする園芸も、こねたり丸めたりちぎったりするお料理も、子どもたちにとっては砂遊びに近い楽しい作業。でも忙しい日常生活では、慣れないちびっこに手伝ってもらいながら食事作りをするのは、時間も手間も余計にとられて、イラっとしがち。おぼつかない包丁づかいを見守るのも結構勇気がいるものです。

 キッチンに興味津々で、自主的にお手伝い(ママの真似っこ?)をしたがる幼い頃に「危ないからあっち行ってて!」と台所から追い出し続けると、成長してそろそろ手を貸してもらいたいと思う頃には、メンドクサイと拒否される。なので多少のイライラをグッとこらえ、おさな子と一緒に料理して、後々のラクにつなげる気の長―い手間ヒマ貯金がおススメです。子育て真っ最中の方は、今がチャンス!もし普段よりも我が子と過ごす時間がたくさんあるなら、旬の食材を見て嗅いで触れて、調理中の音に耳を澄まし味をきく。5感フルに生かしてゆったりと料理まるごと味わい尽くしてみませんか?

 そしてこの時期私の推しは、今まさにシーズンの「梅仕事」。近頃はハチミツ入りやキムチ味などバリエーションも豊かですが、最初はやっぱり昔ながらのショッパイ酸っぱい梅干しにレッツチャレンジ!敷居は低く少量から…熟した梅500gを用意して、まずは完熟梅の素晴らしい香りを楽しみながら爪楊枝でヘタをクルリと取り除き(お子さんと一緒にできる!)、たっぷりの水をはったボウルに漬けると…表面に空気層ができてガラス玉のように見える美しさにしばしウットリ。きれいに洗ってザルに上げ、濡れたまま75~100gの粗塩と共にLサイズのジッパー付きポリ袋に入れ、空気を抜いてチャックを閉じましょう。大型茶封筒に入れて常温放置。塩がまんべんなく絡むように毎日優しくフリフリしつつ、香りの変化も楽しくチェック。スモモのような甘酸っぱい匂いがいつの間にか梅干しの香りになる不思議。10日くらいで梅酢がたっぷり出てきたら、お好みで塩もみ赤シソを加えます。初心者はここでカビの原因を招きがちですが、塩もみ済みのシソを使えばお手軽失敗なし。梅雨明けを待ち、晴天が続く日に梅を取り出して2~3日の天 日干し(面倒なら天日干しは省略してもOK)。シソも一緒にカラリと干し上げ粉砕すれば無添加シソふりかけが完成です。干し終わった梅は梅酢に漬け戻して作業完了!完成直後は驚きの酸っぱさなので3ヵ月以上常温で熟成させましょう。まろやかに変わりゆく味を時々みるのもお楽しみ。茶封筒に入れて紫外線を防いでおけば、赤梅酢の美しいルビー色を保つことができますよ(梅酢の便利な使い方は別途ご紹介します)。

 梅を1kg買ったから半分余る!って方は梅ジュース作りもいかがですか?①ヘタ取る②洗う③水気をきる④1日以上凍らせる⑤凍ったまま瓶に入れて400gの洗糖をザラザラ加える⑥出てくる果汁に梅が浸るよう時々混ぜる⑦10日くらいで完成!清潔な容器で作れば冷暗所(冷蔵じゃなくても)で1年保存可能。炭酸割り、お湯割り、牛乳・豆乳と混ぜてヨーグルトドリンク風などなど、年中美味しくいただけます。

梅干し作りのごほうび副産物 「梅酢」活用術
・おにぎりをする時の手水代わりに
・水で薄めてうがい液に
・水分を飛ばして(天日干しかオーブン低温焼き)梅塩に。上手にできればピンク色の梅風味の塩になります。
・マヨネーズに加え混ぜ梅マヨソース
・清酒と梅酢を同割で合わせ、焼き魚(特に青魚に合う)の下味に。
・冷たい豆乳に加え混ぜて、小口切りの青ネギやおろししょうが・カツオ節・ すりごまなどをトッピングすれば、さっぱり冷製スープの出来上がり。夏バテにおススメ。
・半日干した新生姜を10日以上漬ければタコパの必需品、紅生姜が出来上がり。冷蔵庫で1年保存可。
・本みりんと梅酢を同割で合わせ、キュウリ・ナス・ミョウガ・ショウガ・ 青シソを漬けて即席しば漬け。
その他にも使いみちいろいろ、梅酢もぜひ使ってね! 

うのまきこ|UNO Makiko
料理研究家。食品メーカーで新製品開発等に従事したのち、料理研究家・古川年巳氏に師事。わかりやすいレシピと、野菜をたっぷり使ったヘルシーで簡単な料理に定評がある。アトピーっ子のための簡単な除去食メニューも得意。コープ自然派奈良元理事長。

Table Vol.416(2020年5月)

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