「おいしくて、安心して飲める牛乳を届けたい」。そんな思いを胸に歩んできた北海道のよつ葉乳業。コープ自然派に届く牛乳はすべてNON-GMO(分別管理)飼料で育てた牛の生乳が原料で、「よつ葉放牧生産者指定ノンホモ牛乳」はひときわ酪農家の牛への愛情が詰まっています。そんなおいしくて安全な牛乳の原点を聞きました。

──よつ葉乳業の始まりは?
久田 よつ葉乳業は1967年、「自分たちの手で、より良い牛乳と乳製品を消費者に届けたい」という願いを持った酪農家たちが立ち上げた乳業会社です。1970年代半ば、安心な牛乳を求めて立ち上がった主婦たち(コープ自然派の前身である共同購入会など)との産直が始まりました。
──おいしさのヒミツは?
久田 牛乳・乳製品の味は、主に生乳の「質」と「鮮度」で決まります。よつ葉乳業は酪農家の会社なので会社と酪農家との距離が近く、飼料や飼い方も把握でき一緒に考えていけます。また、牧場と牛乳工場が近いので新鮮な生乳を使用することができます。
──よつ葉放牧生産者指定ノンホモ牛乳の特徴は?
久田 この放牧酪農牛乳は、組合員の「安心・安全な牛乳を飲みたい」という願いに応えた「酪農家と一緒につくる牛乳」です。春から秋にかけて広い牧草地で放牧し、牛たちはお日様を浴びてのびのび過ごしています。冬も生産者自家製の牧草を与え、独自のアニマルウェルフェア基準で牛が自然に近い環境で過ごせることを大切にしています。また、生乳の脂肪球を砕いて均一にするホモジナイズ処理は行わず、低温で殺菌しているので、生乳のおいしさがギュッと詰まった味わいです。

──組合員へのメッセージをお願いします
久田 近年は暑さや飼料高騰で厳しい状況が続いています。それでも酪農家は、牛がお腹いっぱい牧草を食べられるように牧草地を広げ、飼料を自らつくって輸入飼料を減らすことで牛の健康と環境への配慮をめざしています。牛は毎日乳を出します。牛乳を飲んでもらうことで牛は生きていけます。これからも大切に育てられた牛たちの牛乳を選んでいただけることを願っています。
Table Vol.516(2025年8月)