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わくわくキッチン「すき焼きバラエティ」うのまきこ

イラスト/友野可奈子

 人が集まった日の冬のごちそうといえばやっぱり鍋物!準備も片付けも比較的簡単で、調理しながら食べられるからみんなで一緒に熱々をいただけるのが何よりうれし楽しいよね。さてさて、たまにはゴージャスにとなると何鍋が思い浮かびますか?カニもいいしフグも素敵♡ジビエ好きならイノシシや鴨もありだよね~。そして忘れちゃいけないすき焼き♪いつもよりちょっぴり上等なお肉を用意して大きなお皿にきれいに盛れば、それ眺めるだけでもテンションが上がります。

 ところで、私たち関西人がすき焼きに入れる「お肉」と言えば当然のように牛肉ですが、地域が変われば豚肉を入れるとか。美味しいだろうけど、なんだか別の料理のように感じます。また同じ関西でも琵琶湖の北東部、長浜の祖母の家では火鉢に置いた鉄鍋で地鶏やネギなどを焼いて砂糖・しょうゆ・酒をからめる「じゅんじゅん」という郷土料理をよく作ってもらいました。鶏の皮の脂が焼ける香ばしい匂いがたまらん美味しい料理なのに、子どもだった私はおばあちゃんちは貧乏ですき焼きに牛肉入れないんやなぁと勘違いしていたのでした。ごめんねおばあちゃん。

 お肉以外の具も家庭によってそれぞれで面白い。友人のおうちでごちそうになった時に驚いた具ベスト3は「ささがきごぼう」「じゃがいも」「もやし」です。おろしにんにくを途中で加えて味変するお宅もありました。ありだよねっ!私はトマトを入れて気分を変えるのがお気に入りです。

 味付けは「焼いてるところに砂糖を振りかけて醤油と酒」か「割り下」の2パターン。すき「焼き」なのに割り下で煮るなんて邪道と長年思い込んでいましたが、つい最近ラッキーにもお肉の老舗のすき焼きセットをプレゼントしてもらい、出来心でそこに入っていた割り下を使ってみたら目からウロコがボロンボロン落っこちた。焦げるの気にせずにゆっくり食べられるのがイイ!味が濃くなり過ぎないのもイイ!あれだわ、焼くタイプは料理屋さんで仲居さんに調理してもらうのがベストかも。家庭では割り下すき焼き、めちゃありです。汁けがあるから焼いておいたお餅で幸せな〆もできちゃうよ。

 そして最後は何つけるか問題。定番は生卵。ですが、卵白アレルギー持ちの娘のために30年近く前に開発?したのはおろし長芋。トロ~っと絡むのが美味しいらしく、今ではダンナも卵と長芋の二刀流。溶き卵もトロロ芋もすき焼きには合うと思えない派の私は、鬼おろし大根と山椒粉でサッパリいただくのが好き。超おススメなのでお試しを!

うのまきこ| UNO Makiko
料理研究家。食品メーカーで新製品開発等に従事したのち、料理研究家・古川年巳氏に師事。わかりやすいレシピと、野菜をたっぷり使ったヘルシーで簡単な料理に定評がある。アトピーっ子のための簡単な除去食メニューも得意。コープ自然派奈良元理事長。

Table Vol.499(2024年3月)

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