今年も友人と八重山3泊4日の駆け足旅行に出かけました。サンゴと熱帯魚が息をのむほど美しい海へ潜り、東シナ海が眼下に広がる絶景の小高い山に登り、島のクラフトを見て回るドライブや、熱帯植物を愛で歩くお散歩。汗かきまくり楽しみ尽くし、アラカン女子の体力全て使い果たして帰途へ。空港で夕食も済ませたし関空まで爆睡するだけ！と搭乗。離陸した頃、後ろの席で激しく咳き込む人がいるのに気づきました。満席の機内ではマスクをしていましたが念のため隙間がないか確認をして夢の中へ。奈良に帰宅したのは夜遅く、ダンナへの土産話もそこそこに就寝。翌朝目覚めると筋肉痛と関節痛と倦怠感。普段何の運動もしないのに動き回ったせいだよね、とゆるゆる片付けなどしていたものの昼前には喉も頭も痛くなりおなかの調子までヘン。これはもしやと熱を計ると38度越えてるやん。沖縄県はコロナ再流行と聞いてたので滞在中も注意していたのです。きっと日常の免疫力があれば問題なかったはずだけど、遊び過ぎで私のパワフルな免疫システムもダウンしていたのでしょう。薬局で買ってきてもらったキットで抗原テストをしたら一瞬でバリバリの陽性、やられました完敗です。家庭内隔離をして、3日間解熱剤を飲みながら高熱とあちこちの痛みに苦しみ、やっと平熱で過ごせる時間も増えてきた頃、嗅覚がなくなっていることに気づきました。旅先から送ったパイナップル、むせかえるような甘い香りを放つはずなのに無臭？うどんを食べようとおだしをとっても匂いがしない！コロナ感染で一番恐れていた味覚嗅覚障害が現実に？焦りまくりながらも、現状を把握せねばとまずはお花やハーブ。スパイス、アロマオイル、納豆などを嗅ぎまくりチェック。何もかも無臭、唯一かすかに香ったのはカレー粉！カレーの神様ありがとう‼そして冷静に自己分析すると幸運にも味覚は全く正常。嗅覚も口に入れて咀嚼すると口内から鼻に抜ける香りはちゃんと分かる♪パインも噛めばパインの香り。ということは香りを感じる神経や脳がやられてる訳じゃなさそうね。鼻の粘膜があかんのか何がダメなのかは知らんけど、リハビリあるのみと暇さえあれば色々嗅ぐ嗅ぐ。自主トレの甲斐あって？私の嗅覚は徐々に回復。今ではすっかり元に戻りました。無臭の世界は味気ないだけでなく危険で不便。パンを焦がしても気づかず、とうもろこしを蒸しても火の通り具合がわかんない。暮らしの中で匂いで判断していることが少なくないと実感したのでありました。
うのまきこ| UNO Makiko 料理研究家。食品メーカーで新製品開発等に従事したのち、料理研究家・古川年巳氏に師事。わかりやすいレシピと、野菜をたっぷり使ったヘルシーで簡単な料理に定評がある。アトピーっ子のための簡単な除去食メニューも得意。コープ自然派奈良元理事長。
Table Vol.493(2023年9月)
