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くらしと社会

災害時にこそ、いつもの食事を

2020年1月29日(水)、コープ自然派おおさか(実行委員会主催)は、料理研究家・うのまきこさんを講師に「災害食クッキング教室」を開催。オススメの常備食材やキッチンの備品、お役立ちレシピをデモンストレーション形式で紹介してもらいました。

料理研究家・うのまきこさん、コープ自然派組合員の暮らしに寄り添ったアイデア満載のコラムはタブルの人気コーナーです。

ストックしたい便利備品

 「タブル」連載中のコラム「わくわくキッチン」でおなじみ、うのさんはわかりやすいレシピと簡単ヘルシー料理、アトピーっ子のための除去食メニューなどに定評がある料理研究家です。うのさんは立て続けに起きる災害を目の当たりにしたことをきっかけに災害食レシピを考案、「災害時にこそ温かいごはんを用意し、食事の時だけでもホッコリできたら、気力がわいてくるように思います」と話します。

 災害食クッキングの必須ツール・ポリ袋は、鍋や食器代わりになります。また、ストックしておきたいキッチンの備品に、ジッパー付きポリ袋(停電時、生肉魚などを塩こうじに漬け込んで保存)、アルコール除菌スプレー、「くっつかないホイル」(フライパンを汚さないため)、使い捨ての食器やカトラリー、使い捨ての薄手のゴム手袋(軍手の中にはめてケガや汚れの防止にも)、カセットコンロ・ガスボンベ、さらし布をあげ、「食中毒を防ぎ、体調維持するためには衛生第一と割り切って、汚れたら捨てるを徹底、エコライフはしばし休憩です」とうのさん。中でも、うのさんイチオシの「さらし布」は、薄手ですぐ乾くので衛生的、好きな大きさに手で裂くことができて、食器や台拭き、水切り、濾すなど日常の台所ではもちろん、包帯や紙おむつの代用にも幅広く使えて災害時にはとても重宝するということです。

「うのさんに会いたいと熱望するメンバーが集まり、今回の企画が実現しました」と司会進行を務めたコープ自然派おおさか災害食クッキング実行委員長・杉山さん。

ポリ袋で簡単クッキング

 当日の災害食クッキング・メニューは、「袋deごはん」「袋de高野豆腐」「袋de煮びたし」「即席みそ汁」「切り干しサラダ」「甘納豆のなんちゃって団子」。「袋de」メニューはポリ袋を使った加熱調理(パッククッキング)で、ポリ袋に食材と調味料を入れて、湯煎するだけで温かい食事ができ上がり、時短と熱源の節約も同時に叶います。加熱対応用に高密度のポリ袋がベストですが、布でくるみ、熱い鍋肌に直接触れないようにすれば、手に入りやすい低密度(厚さ0.02mm以上、ただし、ポリ袋の種類によっては使えないものもあります)でも対応可能です。空気を抜くようにポリ袋の口をねじって上部でしばり、真空調理にすることで加熱しやすく空気が膨張して袋が裂けるのを防ぎます。鍋に水から入れて火にかけ、沸騰したら蓋をして、吹きこぼれないように弱火にして15分、火を止めて蓋をしたままさらに15分で完成です。

エコで美味な簡単レシピ

 「袋deごはん」(白ごはん)はポリ袋に1人分の米1/2合と水125ml、無洗米でなくても洗わず炊くことができます。煎り大豆を使用した大豆ごはんや奈良茶飯(ペットボトルのお茶を利用)などのアレンジもおすすめです。「袋de高野豆腐」「袋de煮びたし」「即席みそ汁」は、かつお節のミニパックや粉末かつお、「ぱぱっとしいたけ」(菌興椎茸協同組合)などの乾物を調味料にダシを効かせて調理します。「即席みそ汁」は、カップに味噌、粉末かつお、好みの乾燥わかめやとろろ昆布、麩などをいれてお湯を注ぐだけ。「切り干しサラダ」は切り干し大根、乾燥わかめをポリ袋で水戻しし、スイートコーン缶とツナ缶を缶汁ごと、ポン酢やマヨネーズなどの調味料を加えてでき上がり。「甘納豆のなんちゃって団子」は自然派Style煮豆・黒豆をパッケージの上からつぶしてペースト状にしたものをスプーンで丸め、きな粉やココアパウダーなどをまぶします。アツアツごはんにみそ汁、野菜をふんだんに使用した栄養バランス抜群のおかず3品、さらにデザートまで揃った豪華な災害食ランチに「災害時だけでなく毎日食べたいおいしさです」と参加者は大満足。いつ来るかもしれない災害にただおびえるよりも、いざというその時に困らないための準備と日頃からの実践の大切さをうのさんに教えてもらいました。

うのさんを囲んで、コープ自然派おおさか災害食クッキング実行委員会のみなさん。

Table Vol.414(2020年4月)

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