日本の定番家庭料理の中で、ポテトサラダほどバリエーション豊かなメニューはないんじゃないかと思います。家庭だけでなく、飲食店のも千差万別。初めて入る居酒屋さんでは、ポテサラとだし巻き卵を食べてみれば自分好みのお店かどうか見極めができるというのが私の持論。大衆的な居酒屋でオリジナリティあふれるポテサラとのうれしい出会いがある一方、老舗人気洋食店で「業務用の大袋から出したものでは??」なのがランチプレートの付け合わせになっていてガッカリすることも。たかがポテサラ、されどポテサラ。その存在感はとても大きいのです。

 茹でたじゃが芋をマヨネーズで和えるお馴染みのこのサラダは、素朴な料理でありながらも、芋のつぶし加減に始まり、キュウリの切り方、リンゴなどフルーツを入れるのはありかなしか、他の具材、マヨネーズの量などなど、人それぞれコダワリいろいろ。それをネタに酒席が盛り上がるのも楽しいのです。

 さて、そんなポテサラの具をひも解くと、①旨味系(ハム、ツナ、チーズなど)②食感系(キュウリ、ナッツ、漬物など)③アクセントになる風味系(玉ねぎ、ピクルス、パセリなど)④彩り系(人参、りんごなど)に分類できます。キュウリのピクルスのようにすべての要素を兼ね備える具もありますが、大ざっぱに言ってこの4要素の具を各1つ以上入れるといい感じ。そして味付けはマヨネーズに頼り過ぎず、まずは芋が熱いうちに塩・こしょう・酢(または柑橘果汁)できちんと下味をして、冷めてからマヨネーズやヨーグルト、オリーブ油で味と食感を調える。例えば、以前私がハマった「ブルーチーズのポテトサラダ」は、塩と粗びき黒こしょう(酢は微量)でしっかり下味をした粗つぶしの芋に、ブルーチーズ(①③)とゆで卵(①④)、くるみ(②)、みじん切りパセリ(③④)、マヨ少量とオリーブ油を混ぜるだけ。ブルーチーズ好きには超おススメのバージョンです。でも、うちの定番「マヨ抜きポテサラ」はもっとシンプル。鍋に皮をむき四つ切りにした芋とつぶしたニンニク、かぶるくらいの水と塩小さじ半分弱を入れて火にかける。芋が柔らかくなれば湯を捨て、粉ふき芋みたいに水分を飛ばしてから、ニンニクごとマッシャーでつぶし、熱いうちに薄切り玉ねぎを加え(玉ねぎの辛みが飛ぶ)米酢で味付け。冷めたら角切りキュウリとハム、粒マスタード、オリーブ油少々を混ぜてでき上がり。マヨなしの美味しさもぜひお試しあれ!

料理研究家 うの まきこ
日本の伝統食を考える会会員。食品メーカーでアイスクリームなどの新製品開発等に従事したのち、料理研究家古川年巳氏に師事。わかりやすいレシピと、野菜をたっぷり使ったヘルシーで簡単な料理に定評がある。アトピーっ子のための簡単な除去食メニューも得意。コープ自然派奈良前理事長。

Table Vol.392(2019年5月)

「わくわくキッチン」の記事一覧>>