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食と農と環境

身体をととのえる毎日の食

梅﨑和子さんのお話は人間も宇宙の一部であるというところから始まりました。

2018年12月2日(日)、各生協の料理教室や講演会などでおなじみの梅﨑和子さん(いんやん倶楽部代表・料理研究家)が「一汁一飯あればいい」出版記念の会を大阪にて開催しました。

「病気というほどではないけど、肩こりがひどかったり、疲労感がとれないなど、陰陽のバランスが崩れるとなんらかの不調が身体に現れます。そんなときは食生活や生活スタイルを振り返りましょう」と梅﨑さん。陰陽のバランスを整えるには、季節に合った旬のものを食べること、生まれ育った土地のものを食べること(身土不二)、食材の栄養やエネルギーを丸ごと摂ること(一物全体食)、また、自然の流れを意識し、自然に寄り添う食と生活で自然のエネルギーをもらうことが大切だと梅﨑さんは話します。

いんやん倶楽部は養生家庭料理教室を30年以上続けてきました。食養生とは特別なことではなく、日々の食生活で健康をつくること。これは現代の予防医学に通じるもので、「いんやん料理教室」では、「陰陽調和の重ね煮」「昔ながらの台所手当て」「日本の発酵食」を柱にした料理教室を行っています。陰の食材を下に陽の食材を上に重ね、少量のさそい水を加えたのち、火のエネルギーを加えます。そうすると陰のエネルギーは上昇、陽のエネルギーは下降し、いくつものエネルギーが対流を起こして互いに影響し合って陰陽の調和がはかられます。この対流を利用しながらおいしく食べられるよう工夫したのが「陰陽調和の重ね煮」です。

「陰陽調和の重ね煮」は旬の野菜をたっぷり使うのが基本。野菜は皮をむかずアクもとらず丸ごと使うので栄養分の損失が最小限で、現代人に不足しがちなミネラルやビタミン、食物繊維も十分摂れます。また、重ね煮することで野菜の本来の持ち味に加え、素材がもつ自然のうま味も引き出せるので砂糖や油の使用量が控えられます。さらに、調理の準備は野菜を洗って切り、鍋に入れて煮るだけ、ダシもいらず、使う調理器具は包丁とまな板、ふたつき鍋のみといたってシンプル。さらに、野菜を丸ごと使うので生ごみが減り、地球にやさしいエコロジークッキングと言えます。そして、人間の食性に従って、ごはんとみそ汁を基本に、穀物:野菜:魚介類を5:2:1の割合で摂るのが理想的だということです。

会場では毎日の食事をチェックするシール投票が行われましたが、朝食を毎日摂る人、ごはんをしっかり食べている人、味噌汁を毎日という人も多く、「若い世代でこの結果は素晴らしい、とても希望を感じます」と梅﨑さんは感動の様子でした。

大阪市内の会場は、子育て世代を中心に多数の参加者が集まりました。

Table Vol.384(2019年1月)

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