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食と農と環境

オーガニック・エコ・フェスタ2020 in 徳島③「タネと内臓」吉田太郎さん講演会

吉田太郎さんはⅠ型糖尿病を発症しますが、野菜中心の食生活へ変えたところ、体重が減り、インシュリン注射を打たなくても血糖値が正常化したということです。

「タネと内臓~有機野菜と腸内細菌が日本を変える」著者・吉田太郎さんは、遺伝子組み換え(以下GM)作物、ゲノム編集、種子法廃止、除草剤グリホサートなどの問題から健康と腸内細菌の密接な関係について話しました。その一部を紹介します。

  •  種子・農薬大手モンサント社製の除草剤ラウンドアップに含まれる成分グリホサートが原因でガンを発症したと、賠償を求める裁判が次々と起こされ、高額な賠償額の判決が下されました。グリホサートは残留濃度160ppbとごく微量でも子どもの健康を害するという科学的研究結果が出されています。
  •  腸の表面積はテニスコート一面分の広さで免疫機能の7割が腸にあり、腸の細胞間の結合部分から異物が入らないよう防衛しています。この結合部分が緩むと未消化の食べもの分子や有害な微生物、毒素、重金属、環境ホルモンなどが体内に侵入。これを「リーキーガット(腸漏れ)症候群」と言い、栄養分が吸収されなくなり、免疫力の低下、自己免疫疾患の発症、大量の毒物処理による肝臓の不調など、さまざまな問題を引き起こします。腸の健康は、アルツハイマー病や認知症など老化と関連した疾患や自己免疫疾患に関係し、近年、グルテンフリー症候群など腸と関係した病気が急増。腸は善玉菌と協力してリーキーガットが起こらないように防衛し、善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れるとリーキーガットを引き起こすことが疑われています。
  •  近代農業の農作物は品種改良により鉄分、ミネラル、カルシウムが激減。収量や見た目に価値をおいてきたためです。さらに、GMトウモロコシはNON-GMに比べて、カルシウム473分の1、マグネシウム56分の1、マンガン7分の1と栄養価がほとんどありません。
  •  有機の食事に切り替える試みが世界中で起きています。2015年、スウェーデンで有機食品を買う習慣がない5人家族に14日間有機の食事を摂る実験を行い、実験前に尿から検出された農薬が7日間で激減。米国の食の安全を求める母親たちの市民団体「マムズ・アクロス・アメリカ」創始者・ゼン・ハニーカットさんは、母親たちがNON -GM食品や有機食品を買えばNON-GM食品の生産者も増え、私たちの未来を変えられると話しています。

Table Vol.417(2020年6月)

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