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「あゆみ農園」・西さんの圃場

 2010年に就農した新規就農者・西さんのパプリカのハウスを訪問。パプリカ栽培は5年目、ハウスの面積は約6アールです。市場ではパプリカは90%が水耕栽培だということですが、西さんは土壌で栽培しています。現在、アブラムシ対策として、有機栽培で使用可能な農薬を2回散布していますが、無農薬栽培を目ざしているということです。

 パプリカは花が咲いてから収穫までに2ヵ月、夏季のハウス内はとても暑く、すべて手作業というのは大変な重労働です。アブラムシを誘導するためにハウス内にバジルを植えていて、ハウスの中はとても良い香りが漂っていました。

西さんのパプリカのハウスの前で記念撮影。

福助フーズ

 コープ自然派とのお付き合いは先代社長からで20年近くに及びます。ポスティに掲載されているこだわりの調味料のほか、「食材セット」事業では当初から商品開発に協力していただきました。まろやかな味わいの冷やし中華スープやたむらのタマゴの「無添加玉子とうふ」のタレなど幅広く製造。福助フーズでは次の手順でだしをとります。①利尻昆布…水から浸した昆布を沸騰前にとり出し下味をつける②うるめ節…頭を取って入れ、40℃から徐々に温度を上げ、98℃くらいで火を止め、煮出し過ぎないよう気を配りながら濃厚なだしをとっていく③本枯れ節…宗田節を使って、さらに味や香りが豊かになるよう仕上げる。

 ラーメンスープなどいくつかの商品を除いてほとんどこの基本だしをベースにつくられ、試食では子どもたちもあっという間に完食。手間をかけた贅沢なだしが福助フーズのおいしさの秘密です。

 「柚ぽん酢」は酸味に減農薬の柚の搾り汁のみ使用。柑橘の風味が持ち味のぽん酢ですが、一般的な商品は醸造酢も使用、柚果汁だけでは手間がかかり、コスト面でも負担が大きいのですが、味のバランスを考えるとやっぱり柚のみになるそうです。

 だしを取った後の食材や柑橘の皮の部分などは廃棄せず、地元農家のだいだい畑の肥料として提供、そこでつくられただいだい果汁はぽん酢の材料に使用し、地域循環を行っています。大好評の「食材セット」のタレは、180リットルと320リットルの2つのボイラー蒸気鍋を使い分けて製造。日によって製造する種類を変えバランスよく製造できるよう工夫しています。

(株)ポタジエ

 2014年、(有)王隠党農園や(株)オルトなどが出資して(株)ポタジエを設立。カット野菜加工・販売を行っています。2017年、農水省より総合化学事業計画の認定を受けました。2018年4月より新工場にて野菜などのフリーズドライ・真空乾燥による固形具材の製造販売を開始。社名はフランス語で「菜園・野菜畑」を意味するということです。

 フリーズドライに取り組んだのは、天候などで収穫量が増減する農家の負担を軽減するため、また、農家から野菜を適正価格で購入し、農家を守りつつ消費者にも受け入れられる商品開発で農業の六次産業化を実現するためです。

 紀の川市と災害協定を結んでガスタンクを備え、災害時には工場自体が避難所となります。そして、フリーズドライ商品を非常食とすることも想定しているとのこと。工場見学では、真空、乾燥、凍結の製造工程などを見学しました。商品の原料としてやさか共同農場の無添加みそも使われていました。

TONTON豚 大浦農場

 台風接近のため、山の中にある豚舎の見学は叶わず、大浦さんにお話を聴きました。TONTON豚は三元豚(父豚はデュロック種、母豚は大ヨークシャー種の雌とランドレース種の雄から生まれたFI)。一般的には仔豚を購入して育てますが、大浦農場では出産から手掛け、薬を一切使わず愛情たっぷりに育てます。豊かな自然の中で育てることで菌に強く、豚舎で生まれ育つため外部から病気を持ち込まず元気な豚が育つということです。飼料は米、大豆、大麦、トウモロコシなどの自家配合飼料を与え、海外産については遺伝子組み換えされていないものを使用。また、飼料には発酵液を混ぜ、踏み込み式豚舎の床のおがくずも発酵させています。お母さん用、赤ちゃん用、仔豚用、仕上げ用と4種類で飼料の配合を変え、約半年で130〜150㎏になった豚を出荷します。

台風接近のため豚舎は見学できませんでしたが、大浦さんのお話に子どもたちも満足。

Table Vol.378(2018年11月)

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