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くらしと社会

~脱原発ツアー・和歌山~ 中間貯蔵施設建設反対!の意思を伝える

コープ自然派では「原発のない社会」を目ざし組合員とともに活動しています。今回、台風20号が迫っていた8月22日・23日、コープ自然派脱原発ネットワーク主催で脱原発ツアーを開催、総勢19名(うち子ども3名)で使用済み核燃料の中間貯蔵施設建設計画がある白浜町を訪ねました。

中間貯蔵施設の計画地として急浮上した白浜町は観光と温泉で知られる地です。

和歌山の生産者を訪問

 2017年1月に伊方へ、2017年12月には若狭への脱原発ツアー。今回も生産者訪問と現地見学、脱原発活動を続けている人たちとの交流が目的のツアーです。訪問したすべての生産者にはコープ自然派の内部被ばくに関するリーフレットと市民団体作成の中間貯蔵施設問題のパンフレットを渡し、意見交換しました。

 最初の訪問先は岩出市でパプリカを生産している「あゆみ農園」・西さんの圃場、若いご夫妻で新規就農者です。和歌山県北部で大きな問題となっているメガ風力発電、そして中間貯蔵施設について問題意識を持っていたので資料をもとに詳しく説明しました。次は、紀の川市にある王隠堂農園グループの「(株)ポタジエ」では新しく始めたフリーズドライ工場も見学。紀の川市とは災害協定を結び、災害時には工場全体が避難所になるなど地域貢献も行っています。中間貯蔵施設に関しては「もちろん反対」と力強い言葉を聞きました。

 和歌山市では長くお付き合いが続き、根強いファンも多い「福助フーズ」を訪ねました。急逝された2代目社長の後を引き継いだ若き3代目・宮路社長は中間貯蔵施設については「とんでもない」と断言。そして、「地方でも自立している街になぜこんなものを建てようとするのか冗談じゃない、また、『中間』という言葉でごまかしている」と怒りをあらわにし、参加者を感動させました。

 最後の生産者訪問は、TONTON豚の大浦農場。大浦さんは写真を示しながら長年取り組んでいるこだわりの飼育方法や飼料などについてにこやかにわかりやすく説明し、子どもたちも食い入るように写真を見てお話に耳を傾けました。中間貯蔵施設については明確に反対の意思を語り、参加者は一層元気になりました。

現地の人たちの声を聴く

 途中、市民団体「脱原発わかやま」・松浦雅代さんと合流。車中で原発を巡る和歌山の歴史を聞きながら現地へと向かいました。中間貯蔵施設予定地・日置川名立では、「脱原発わかやま」・冷水喜久夫代表とも合流し、使用済み燃料が陸揚げされる予定の港や専用道路となり得る箇所などを確認、参加していた9歳の子が「こんなきれいなところにつくるんだね」とつぶやいていたのが心に残ります。

 冷水代表からは日置川における原発問題について聞きました。1957年に黒四ダムのモデルとしてつくられた殿山ダムが翌年の大雨の際、一斉放流により大水害を起こしたことで、日置川地域の住民は関西電力に対して強い不信感を持ち、そのことが後の原発建設反対運動につながったということです。1960年代後半から40年にも及ぶ原発立地問題では自殺者も出て住民の心がズタズタにされ、地域に残った「分断」という重い課題を解決するため「リバーサイドマラソン」を企画し修復に努めているとのこと、また一方で関西電力や町の動きを監視し続けていることなどを聞きました。

 宿泊先のしらさぎホテルの若女将は、「私もここ椿温泉の美しい自然を『癒しと健康』のコンセプトで守り続けています。もっと周りに広げたいのなら、『反対』という言葉ではなく、自分の信じていること、守りたいことを表現してはどうですか。自信をもって!こんな素晴らしい仲間がいるじゃないですか!」と参加者を励ましてくれました。

白浜町に要望書を提出

白浜町役場にて副町長にコープ自然派からの要望書を提出。

 23日朝、今回の最大目的である白浜町訪問です。台風20号接近により町の災害対策本部が設置された慌ただしい中で、副町長に要望書を手渡しました。そして、コープ自然派のイベントなどで組合員から集めた脱原発のメッセージや関心度を示すシール投票結果なども併せて届けました。

 今回のツアーについて参加者からは「コープ自然派の考えを生産者に伝え、また生産者の意見を聞く機会や現地の方々との交流はとても大切、さらなる広がりを期待します」などの感想が得られました。

 9月6日、和歌山県白浜町の井澗町長は中間貯蔵施設の受け入れについて「将来的に(電力)事業者などから申し入れがあったとしても協議をする考えはない」と受け入れ拒否の姿勢を明らかにしました。県外を含む複数の住民団体から「受け入れないことの表明」を求める要望書が届けられ、コープ自然派脱原発ネットワークの要望行動もその一助になったのかなとうれしく思っています。

現地を見学した参加者は絶景に感動するとともに津波被害への不安も実感しました。

(コープ自然派脱原発ネットワーク担当理事・コープ自然派京都理事長 坂本真有美)

脱原発ツアーでは和歌山の生産者を訪問、工場や圃場を見学し、交流のひとときをもちました。参加者のみなさんのレポートをお届けします。

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