
電力の話?ではありませぬ。再生可能エネルギーについては今でも何が正解なのか自分の中で判断がつかない情けない私でありまして。太陽光パネルで覆いつくされた山肌の痛々しい景色や、巨大な風力発電機で傷ついた猛禽類の話を見聞きすると、火力や原子力だけが環境を脅かしている訳でもない気がして、早く次世代の本当の意味でのクリーンエネルギーが開発されたらいいのにと、これまた他力本願でお恥ずかしいありさまです。
ま、それはそれとして、今日は皆に平等に降り注ぐおひさまと風の恵みを食卓に!の巻。
先日普段行かない直売所で、初めて生高菜が売られてるのを発見、その瞬間に脳内は35年前にフラッシュバック。福岡で暮らしていた頃、当時のダンナのおばあちゃんち(福岡在住)でよばれた自家製高菜漬けの、経験したことがない香りと味に驚いた記憶。はっきり言ってクサイ!でも噛むとめっちゃ旨い!!何これ?どうなってんの?と混乱しながらもうひと口。やっぱ理解不能でもうひと口。気付いたら大好き♡になっちゃってる。後にも先にもあれを越す高菜漬けには出会えてないなぁ…としばし思い出に浸りながら、小松菜の1.5倍以上の長さでゴワゴワした葉の野菜を1束手に取っていました。帰宅後インターネットでレシピを探し、まずは干すと知り、さっそく洗って適当に株元をほぐし、布巾用のピンチハンガーに挟んでベランダへ。少量ずつ、しかも根元が上の垂直干し(普通は平干し)したせいか一昼夜でしょんぼりボリュームダウン。迷った末に3センチ位のざく切りにして、ポリ袋に入れ計量。とっておきの西表島の天日塩2%と去年庭で収穫後干した赤唐辛子少々を加え、空気を抜いてギュっと縛り、毎日袋を開いて嗅いだり混ぜたりしながら常温で1週間放置。これだけで漬物らしい発酵臭が出てくるってすごくない?おばあちゃんの本物とは比べるまでもなく、臭みも迫力ある旨味も全然足らないけど、おいしくなって大満足。もっと大量に買ってきて色々実験しよう!とその後何度か同じ直売所に足を運びましたが高菜は手に入りませんでした、残念。
仕方ないから小松菜で実験スタート。干すか干さないかで味が違うか?わかっちゃいたけど…ベツモノです。太陽と風の力は偉大!味の深みが全く違う。干さない方にどんな調味料を足しても、干した旨味にはかなわんわ。
暑くてしんどい季節を迎えますが、野菜を干そう♪漬物じゃなくても、ナスもゴーヤもキノコもトマトも、半日干せば旨味倍増。おひさまパワーを楽しみながら夏を一緒に乗り切りましょう。
うのまきこ| UNO Makiko 料理研究家。食品メーカーで新製品開発等に従事したのち、料理研究家・古川年巳氏に師事。わかりやすいレシピと、野菜をたっぷり使ったヘルシーで簡単な料理に定評がある。アトピーっ子のための簡単な除去食メニューも得意。コープ自然派奈良元理事長。
Table Vol.515(2025年7月)