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くらしと社会

無農薬栽培の稲を使い切る!わらぼうき&かまどご飯

2025年2月24日、コープ自然派しこく(産直委員会)は、とくしま有機農業サポートセンターで第4回かまどイベントを開催。わらを使った卓上ほうきづくりと、炊きたてかまどご飯を楽しみました。

かわいく出来上がったみんなの卓上ほうき

無農薬のわらを余すところなく使う

 卓上わらぼうきをつくるワークショップの講師は〝ようちゃん〟こと戸来陽子さんとその家族。ようちゃんは発達支援センターで仕事をしながら青森で17年間無農薬でお米を栽培していました。1年半前に徳島県神山町に移住、異例の速さでJA徳島女性組織協議会フレッシュミズ部会の会長に抜擢され活動中です。
 わらぼうきに使うのは、サポートセンターで学ぶ皆さんが栽培した無農薬栽培の稲わらです。「顔の近くで使うものなので無農薬のものを使いたい」というようちゃんの想いから、この卓上ほうきづくりが始まりました。他にもしめ縄や鶴の飾りづくりなど、無農薬のわらを最後まで余すことなく使い切るそうです。

ようちゃん


わらで卓上ほうきをつくろう! 

 「しめ縄ラバー」の名で活動するようちゃんと講師歴10年の息子さんと小学5年の娘さんがつくり方を説明します。まず、お米がついていた穂先の「みご」をわらから引き抜き、長さごとに分けます。それぞれの長さのみごをひもでしっかりと束ね、長さの短いものから順に横にくくりつけます。最後にハサミで穂先を整えて出来上がりです。
 早速作業を始めた子どもたちは、わらからみごを取り出す作業はとてもスムーズにでき、テキパキと長さごとに仕分けていきます。ひもで束ねる作業はようちゃんのお連れ合いの手つきをしっかりと確認してチャレンジしますが、細いひもを隙間なく巻き付ける力加減が難しく、お互いに助け合いながら仕上げていきました。出来上がった卓上ほうきは、つくった人によって大きさやひもの色が様々で個性豊か。思い思いのかわいい卓上ほうきにみんな満足そうでした。

大きなかまどで炊いたごはん

 ほうきづくりと並行して、外では「かまどごはん」の準備に取りかかります。レンガを積み上げたかまどには大きな釜が乗せられ、大人に教わりながら子どもたちはかまどに火を入れていきます。モクモクと出る煙に悪戦苦闘しながらも、枯葉や細い枝についた火が消えないように次の枝をくべていきます。自分に火が移りそうで心配な子は離れた所から木を放り投げ、平気な子は丁寧に、みんなで空気の通り道がなくならないように気を付けて置いていきます。やがて釜から湯気が立ち上ると火を消し、しばらく蒸らすとつやつやのごはんが炊きあがりました。
 かまどで炊いたごはんは、もっちりとしてとてもおいしく、おまけに底にはおこげがきれいにできていて、子どもたちのおかわりが止まりません。スタッフがつくった豚汁との相性も良く、あっという間にどちらの鍋も空っぽになりました。

かまどの火を見守る子どもたち

講師ようちゃんの想い

 講師のようちゃんは、青森の発達支援センターでもわらを使ったしめ縄づくりをしていました。片腕が動かない利用者には片方の手をようちゃんが務めて縄を編みました。「しめ縄が出来上がった時のみんなのうれしそうな顔を見るのがうれしくて、今もこの活動を続けています。今日もたくさんの笑顔が生まれて良かったです」とようちゃんは話します。
 日常の暮らしではただお米として食べることしか意識しにくいですが、「手間暇をかけてつくられた稲の残ったわらも残さずに使い切ることで、生産者への感謝の気持ちを忘れないでほしいなと思っています」とようちゃんは語りました。

田んぼと食卓をつなぐ

 コープ自然派しこくでは、とくしま有機農業サポートセンターと連携して組合員が農の現場に関わる取り組みを今後も続けていく予定です。
 コープ自然派では学校給食の取り組みに力を入れています。智子さんは「学校給食は、おいしいのはもちろん、原材料も国産オーガニックを追求するのが本来の姿。子どもたちの命を想うからこそ強く訴えていくことができます。皆さんの活動を応援しています」とエールを送りました。

Table Vol.513(2025年5月)

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