今月の「ちょっと教えて」のテーマは、日本有機加工食品コンソーシアムです。
農家、企業、団体が利害や資本を超えてつながり国産有機加工食品を創るプラットフォーム
川上(生産)から川下(消費)まで
有機食品市場をひろげるためには、有機農産物・加工食品の生産量と消費を同時にひろげることが必要!生産から加工、流通までのサプライチェーン全体が協働するモデルをつくります。
「日本有機加工食品コンソーシアム」について教えて!
■3つの活動部会
・有機穀物部会
・商品開発部会
・食物残渣堆肥化部会
有機農業の栽培技術、加工食品原料特有の栽培技術、そして有機認証に適合した栽培・保管・流通・加工の各工程で有機原料を使うための課題を解決するための取り組みをすすめるとともに、生産拡大のための政策提言を行います。
■おもな取り組み
・農家&メーカーの有機作物オーダー作付(米・麦・大豆などの穀物、冷凍野菜)
・栽培技術と加工食品に適した品種
・地域有機資源の良質な堆肥化
・自治体向けコンサルタント事業
■転換期間中・国産有機ポジティブキャンペーン
農地の有機JAS 認証には3 年かかりますが、その間は「転換期間中有機」となり評価されにくいのが現状です。でも、転換にチャレンジする人を増やさなくては有機農業はひろがりません。そこで、コンソーシアム会員の転換期間中・国産原料有機の商品にマークをつけて「買うことで有機を応援!」のムーブメントを目指しています。
学校給食も食卓も国産オーガニックへ
日本有機加工食品コンソーシアムの始まりはコープ自然派の「国産有機小麦プロジェクト」でした。国産有機食品の課題である有機小麦が生産者との出会いにより、1000トン栽培の目処がたちました。
北海道で開催した栽培技術講習会には生産者や全国の流通・小売・外食などの関係者が集まり、有機加工食品の加工販売ネットワークの意義と可能性を確認。これをモデルに、生協の枠を超えた取り組みにしていこうと、農水省も参加して官民一体の事業実現ネットワークとしてコンソーシアムを設立しました。
有機原料・有機食品の生産や流通のハードルは一事業者では解決が難しく、価格も高くなりがちです。欧米並みに学校給食や一般市場で国産オーガニックをひろげるためには、「誰もが」食べることができる仕組みづくりが必要です。
生協ネットワーク21と連携して、2030年までに自然派Styleの1割を国産オーガニックにする目標を掲げています。コンソーシアムの会員には多くの生産者が参加し、理事として有機小麦の生産者である営農企画や、光食品、ムソー、MOA商事が取り組みを牽引。会員は100社を超えました。
新商品も次々に登場予定です。組合員が買い支えることをスタート地点に、学校給食にも一般市場にも有機加工食品をひろげていきましょう。
Table Vol.496(2023年12月)より
一部修正・加筆