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くらしと社会

免疫力を高める「食養生」

新型コロナウイルス感染拡大により、不安な日々が続いています。確実な治療法がない現在、重症化しないよう免疫力を高めることが大切です。そこで、いんやん倶楽部代表・梅﨑和子さんに免疫力を高める「養生家庭料理」について聴きました。

コープ自然派各生協では梅﨑さん(左)の講演会や料理教室を多数開催しいつも大好評。この日は福田さん(右)がアシスタントと動画撮影を担当しました。

「養生家庭料理」に挑戦

 世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルスは日本でも感染拡大の一途をたどっています。梅﨑さんが主宰する「いんやん倶楽部・養生家庭料理教室」も休講中で、梅﨑さんはFacebookやHP、YouTubeでレシピを広く発信しています。

 「人間の体には生まれながらにして病気を治そうとする力があります。個々人が身を守るためには、自然治癒力を強化し免疫力を高めることが大切です。こんなときだからこそ、家族の健康を守るために先人の知恵を生かした養生家庭料理にチャレンジしてみませんか」と梅﨑さんは呼びかけます。

 いんやん流養生家庭料理では3つの取り決めがあります。1つ目は「一物全体食」。命ある食べものはどの部分も無駄はなく、捨てる部分はないという考え方で、野菜の皮やアクをとらず、野菜の栄養やエネルギーを丸ごといただきます。アクの苦みやえぐみも個性の1つと考えます。2つ目は、安心・安全な食材を使います。基本的な調味料である味噌、醤油、酢は昔ながらの手づくりのものを、野菜もできる限り安全なものを選びます。3つ目は、陰陽調和の重ね煮料理。旬の食材を葉物から根菜、動物性のものも含めてすべて1つの鍋の中に閉じ込め、自然の力をいただく料理法です。水分を多く含み、身体を冷やす働きを持つ「陰」の食材を下に、水分の少ない体を温める働きのある「陽」の食材を上に重ねます。そして、水を入れ蓋をして火を入れることで鍋の中で熱の対流が起き、野菜の持ち味やパワーが相乗的にアップし、身体にも心にもやさしい一品になります。野菜の皮はむかず、水にもさらさず、アクもとらないので食材を無駄なく使え、環境にもやさしい調理法です。

 「胃腸の弱りは万病をつくるという言葉があるように、免疫力を高めるには胃腸を整えておくことが大切。新型コロナウイルスについても必要以上に怖がらず、でも、いつもより少し気を引き締めてできることを実践していきましょう」と梅﨑さんは話します。

重ね煮スープを基本に

短時間で調理でき、やさしくて深い味わいの重ね煮スープ。

「養生家庭料理」の基本は、ごはん、陰陽調和の重ね煮の味噌汁、発酵食(漬けもの)を中心にした食卓づくり。陰陽調和の重ね煮の味噌汁は、旬の野菜を幅広く、乾物なども使うと時短でおいしく素材の旨味が引き出せます。基本となる養生野菜スープをたっぷりつくっておいて、味噌汁をはじめ、カレー味にしたり、ケチャップを入れたり、中華風にしたり、さまざまなアレンジも楽しめます。スープをつくるときに用意する鍋はふたがぴったりしまるもの、保温性の高い鍋が適しています。

いんやん倶楽部の重ね煮料理講座~野菜スープ~

Table Vol.415(2020年5月)

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