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生産者訪問・商品学習会

おいしい!たのしい!ウインナーづくり

2023年8月11日、コープ自然派兵庫(食育チーム)は株式会社鎌倉ハムクラウン商会の魚住さんをお招きして、無添加ウインナーづくりを体験し、食品添加物について学びました。

 1874年、ウイリアム・カーティス(イギリス)が鎌倉郡(現在の横浜市)で外国人向けにハムを販売。数名の日本人が製法を学び、各地に広がったのが「鎌倉ハム」です。それゆえ、社名に同名がつく会社が数件ありますが、自然派Styleのハム・ウインナーを製造しているのは「鎌倉ハムクラウン商会」。大型量販店等には卸さず、生協や学校給食をメインに無塩せき・無添加で製造販売しています。

無添加への想いとこだわり

 高度経済成長期以降、赤いウインナーが流行し鎌倉ハムクラウン商会も製造していました。1970年代、地元生協から発色剤(亜硝酸塩Naなど)不使用ウインナーの製造依頼を受け、それをきっかけに無塩せき専門メーカーとして現在に至ります。

 「無塩せき」とはウインナー・ハム製造時に肉を調味液に漬け込む「塩せき」工程で、発色剤を使わずに製造したものをいいます。発色剤は菌の増加を防いだり色を鮮やかにするだけでなく、塩カドを取るために一般に使われています。ここ数年、無塩せきで製造するメーカーは増えましたが、結着材(リン酸Naや澱粉)、着色料、保存料、調味料(アミノ酸等)などが含まれることも。

 鎌倉ハムクラウン商会の製品は、一度も冷凍していない新鮮な国産豚をふんだんに使用しています。肉本来の旨味や結着力のもとになるたんぱく質を逃すことなく活かしきるため無添加で製造できます。新鮮でない肉や肉の量が少ない場合は結着材を足すことになり、その分だけ肉の風味が薄くなるので旨味を補う必要があるのです。また、鎌倉ハムクラウン商会は在庫を持たない受注生産方式を取り、でき立ての商品を届けることでフードロスがありません。

夏休みらしく自由研究!

 自然派Styleポークウインナーと市販ウインナー2品で添加物実験を行いました。亜硝酸試験紙を各ウインナーに挟み、試験紙の反応を見ます。市販品はわずかに反応があり、自然派Styleポークウインナーは反応なし。また、ウインナーにヨウ素液を垂らしてみると、いちばん安価なウインナーは紫色に染まり、澱粉でかさ増ししていることがわかります。ウインナーといっても、使われる材料や添加物の種類や量がさまざまであることがわかりました。

ウインナーの豆知識

 羊腸を使うとウインナー、豚腸はフランクフルト、牛腸はボロニアソーセージって知らなかった!参加者のへぇ〜が会場に響きます。羊腸の99%に皮を柔らかくするリン酸Naが使われますが、鎌倉ハムクラウン商会ではリン酸Na不使用の腸を使用しています。肉の部位にも触れ、ロースハムはロース肉(なんと日本発祥)、ボンレスハムはもも肉、ウインナーはうで肉、ベーコンはバラ肉を使用しています。

いよいよウインナーづくり

 豚ひき肉・塩(肉に対し2%)・砂糖(1%)・胡椒(0.5%)・水(10%)を使います。自然派Styleのウインナー同様シンプルな原材料。調理室で燻製はできないためレモンの皮で香り付けし、ボイルしてでき上がりです。まずは豚肉と調味料を力いっぱい練り合わせ、水とすりおろしたレモンの皮を入れて混ぜ、生地の完成。充填機で羊腸に詰めていきます。この作業が至難の業。ながーいウインナーができたら、チェーン状に手でねじって20分ボイルし、カットして頂きます!口にいれると皮がパリっとはじけ、弾力のある歯ごたえ。そしてレモンの程よいさわやかさと香辛料と肉汁がじゅわーっと口の中に広がります。自分たちで作ったウインナーは格別!最後に魚住さんから「自然派Styleのパッケージが脱プラに向けリニューアルします、ご期待ください!」と案内がありました。体験を通して楽しく学ぶ、大人気のイベントでした。

鎌倉ハムクラウン商会の魚住さんと腸詰めをがんばる子どもたち。共同で調理作業も数年ぶり。
食育チームメンバーの音頭で、アップルキャロット乾杯!

Table Vol.495(2023年11月)

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