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生産者訪問・商品学習会

オンライン産地見学ツアー「島酒家」in沖縄

2020年8月31日(月)、コープ自然派京都は「伊平屋島産味付け太もずく」でおなじみ島酒家へのオンライン見学ツアーを開催、地元で取り組む社会活動や現在の沖縄の状況などについて代表の石黒さんに聴きました。

島酒家・石黒さん
「沖縄県本島南部には『御嶽(うたき)』という神秘的なスポットがあり、オーガニックカフェが多いエリアです。ぜひ、遊びに来てください」と島酒家・石黒さん。
「食感が楽しい『沖縄県産天然親子ひじき』と抜群に辛い『おきなわの粗挽き島唐辛子』をよく利用しています」と司会のコープ自然派京都・平出常任理事。

感謝の心で社会貢献活動

 島酒家は沖縄県産の農海産物の生産・加工・製造・販売を行う食品メーカーです。2004年に泡盛専門問屋として創業。2007年、こだわり調味料を販売する会社を設立し、有機農地の取得など事業内容を広げて本格的に食品販売を始めます。2018年、南城市に本社を移転し、敷地面積3300㎡のHACCP対応工場が完成。

島酒家新社屋
2018年に移転した新事務所。HACCP対応工場も敷地内に併設されています。

学習会では、新事務所・工場内の画像によるオンラインツアーを行いました。工場内は徹底した衛生管理のもと、作業員は手首につけたICチップでハンズフリーによる入退室、時間管理で作業効率をはかっています。

ハンズフリー入退室の様子
ハンズフリー入退室の様子。

「生産者や消費者、従業員などに支えられて私は生かされ、商売をさせてもらっていることへの想いをこめて、企業理念を『感謝の心』としています」と石黒さん。明るく開放的なオフィス内は会議室のガラスパーテーションに書かれた「感謝」の文字が印象的です。

 石黒さんは社会活動にも参画し、島酒家を含む12の会社が協力して運営する「一般社団法人久米島の海を守る会」は、海岸や河川の清掃、オニヒトデの駆除、サンゴの移植、赤土流出防止ベチバーの植え付けなどを目的に活動しています。また、伊平屋島の島おこしプロジェクトとして、「伊平屋島産味付け太もずく」の商品の売り上げの一部(1袋当たり2円・年間約18万円)は、伊平屋村の子どもたちの教育支援に充当。「伊平屋島産味付け太もずく」はコープ自然派と共同開発したコープ自然派のオリジナル商品で、自然派Styleマイルド純米酢が使われています。

共同開発をした「伊平屋島産味付け太 もずく」。全て国産原料で作られています。売上の一部は、伊平屋村の子どもたちの教育支援に充てられています。

 新たな取り組みとして、本島南部エリアの就労施設(9事業所)の協力を得てオーガニック南部唐辛子の栽培と商品化プロジェクトが進行中。現在、就労継続支援B型の平均月収は1万5000円〜2万5000円ですが、このプロジェクトでは月4万5000円と利用者の所得向上をはかっています。

経済・文化・環境を守る

 新型コロナウイルス感染症の影響で、那覇市の国際通りで開店している店舗は約20%程度、観光客の姿はほとんどなく、飛行機の運航は80%減、商品を貨物便で送るのも困難な状態で、ハローワークには行列ができているということです。また、気候変動による農海産物への影響も深刻で、青さやもずくの収穫量が減少し、水温の上昇や獲りすぎが原因だと考えられます。

 「沖縄県産天然親子ひじき」の収穫は、うるま市の米海兵隊基地内ビーチで、身分証明を提出し海兵隊の立ち会いのもとで行っています。石黒さんは沖縄基地問題について、「基地には反対です」と断言した上で、「しかし、他に受け入れる地域がないのなら、縮小して運用するなど何らかの方法で基地と向き合うべきだとも考えます。住民への補償金や基地移設後の経済のあり方など、政府からの補助金に頼るのではなく、自分たちで運営していかなければ沖縄の未来はありません」と話します。また、沖縄戦争体験語り部の高齢化・方言離れなど沖縄の歴史や文化の継承が難しくなっています。石黒さんは沖縄県産の商品を全国に伝え、沖縄の歴史・文化・環境を守る活動に取り組んでいきたいと意欲を燃やしています。

沖縄県与那原の海で採った肉厚でおいしい芽ひじきと長ひじきの「沖縄県産天然親子ひじき」。色鮮やかで歯ごたえのよい食感です。

Table Vol.426(2020年10月)より
一部修正・加筆

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