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生産者訪問・商品学習会

国産有機トマト収穫体験&工場見学!in光食品

2024年7月13日、コープ自然派しこく(徳島・商品委員会)は徳島県板野郡の光食品株式会社を訪問し、工場見学と有機トマトの収穫体験を行いました。

国産有機トマト収穫体験。トマト畑で島田光雅さんを囲んで。

環境にも人にも優しい工場

 自然派Styleの有機アップルキャロットやトマトケチャップなどを開発・製造する光食品は、日本を代表する有機加工食品メーカーです。1964年に合成添加物不使用のソースをつくって以降、有機や国産原料にとことんこだわり、素材本来の味を生かした商品づくりを行っています。そんなこだわり商品が生まれる工場に入ると、瓶にアツアツのゆず果汁が充填されています。風味を損なわないよう、なるべく早く温度を下げる必要があります。瓶が割れないように何段階にも分けて温度を下げていく作業は、人の手と一部機械で行われていました。

 倉庫は通常42度近くになりますが、体感温度は32℃程度。屋根に設置してあるスプリンクラーから水を撒くことで、気化熱を利用して、温度を下げています。「設備投資は社員が配管設備をすることで最小限にし、1日のポンプの電気代は5円!」さらに、「鉄の釜であるボイラーは、通常は薬品をつかって錆止めをしますが、有機JAS認証の工場なので薬品は使いません。商品だけでなく、工場自体もオーガニック!と堂々と言える会社でありたいと思っています」と島田さんは話します。

島田光雅さん

唯一無二の宝庫

 倉庫にはトマトペーストや醤油、みりんなどの調味料や原料が各地から運ばれてきます。「おそらく日本中でオーガニック原料をこれだけ持っているのはうちだけ。50年前は大変苦労しました」と島田さん。当時、有機農家は病気や害虫などが原因で村八分にされる時代でした。「農家も農薬を良しとしているわけではなく、流通が許さないから仕方なく使用していることも多々あります。当時は有機JAS認証制度もないため、自分の足と目で確認してきました」と、当時を振り返ります。

 ある時、有機みかん畑にいくと、見た目が良くないため低価格で加工用として売っている生産者と出会いました。光食品で即購入し、ソースなどの原料に使用することで、生産者と有機農産物を守ることにつながりました。「畑の事情に合わせて商品づくりをしています」と島田さんは話します。

 「難しいといわれるモノをどうにかしてつくるのが大好きなんです」という島田さんは今、有機大麦農家を見つけだしてアルミ缶入りの国産有機麦茶にチャレンジ中とのこと。 「無添加のオイスターソースも弊社だけです。昆布、カツオのエキスも自社の工場で抽出していますので、原発事故の際にも消費者の方々に産地をお伝えすることができました。メキシコ産の天日塩はマイクロプラスチックの含有有無も検査しており、検出されていません」と、消費者の要望に応え、質問にきちんと答えられるように徹底した管理をしています。

光食品の工場のガスボイラーはCO2を出さない水素ボイラーに換える予定。ついにカーボンニュートラルな工場になります。

国産有機トマト収穫の手伝い

 工場から15分程の自社農園には有機トマト畑が3haほどあり、NPO法人とくしま有機農業サポートセンター修了生がメインで作業をしています。栽培しているのは加工用トマトで、生食用トマトのように支柱を立てずに地生えにします。島田さんは「加工用トマトは収穫の際にヘタの部分が取れるジョイントレスなので、手で簡単にもぎとることができますが、地面を這っての収穫のため大変過酷な作業です。また、24年間トマトを育てていますが、今年のように早く収穫を迎えるのは初めての経験。収穫時期を逃すと傷んでいくのでスピード勝負です」と説明。参加者は1個でも多く収穫の手伝いができたらと黙々と作業します。

 工場の裏の畑では柑橘類を育てています。「普通の緑地ではおもしろくないので柑橘類を植え、別の平地には有機みかんを50本植えました。みかんは生食が優先で買い負けしていましたが、みかんジュースの安定供給に向けて頑張りますので、またお手伝いにきてください!」と参加者に呼びかけました。

取り扱い決定 !
収穫した国産有機トマトが原料です。

Table Vol.506(2024年10月)


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