コープ自然派おおさか(ひょうたんブロック)では2023年9月20日、株式会社山清の浪越豊仁さんと中村敦司さんを講師に山清のあんこのヒミツを教わりました。お話のあとは、あんこをふんだんに使ったスイーツにこころもからだもほっこりしました。
あんとからしを造り続けて90年
香川県の真ん中、綾川町にある山清は四季折々の歳時記に欠かせないあんこや、「香川本鷹」と呼ばれる地元の唐辛子、粉からしなどを、原材料の美味しさを活かした昔ながらの製法でつくっています。1938年創業時から、製造から販売までの一貫体制で多品種少量生産し、2001年には業界ではいち早く有機JAS認証を取得。「お客様に最も愛される最良の商品を提供すること」をものづくりの原点として、日本の伝統を守り伝えること、そして新たな食文化の創造に全力投球しています。
伝統を受け継ぐあんこ
山清で使うのは自然界にあるシンプルな原材料のみです。小豆は主に北海道・十勝地方で契約農家が栽培したもの。砂糖は北海道産ビートグラニュー糖を使用するので、すっきりとした上品な甘さに仕上がります。
製造はまさに職人技!釜に水と小豆を入れて炊き上げる工程「粗炊き」がポイントで、小豆のしわを伸ばし、実と皮が一体となるような仕上がりをめざします。均一な大きさの豆を仕入れ、丁寧な粗炊きをすることでムラなく小豆を炊くことができます。そして職人が炊き上がりを見極めます。
山清のあんこは粘り気があるのが特徴。水分を少なくし小豆の量が多くなるように仕上げ、香川の食文化である「あん餅雑煮」や、おはぎにもってこいの固さです。大切につくられた小豆を心を込めて製造し、農家との二人三脚であんこ造りを行っています。また伝統的な製法はそのままにスイーツやトーストにぴったりのクリーミーな白あんも。黒ごまあんには和田萬の黒ごまペーストを使い、栗あんは米麦館タマヤのあんパンにと、あんこを通して生産者同士のつながりも広がっています。
小豆のきほん
あんの原料は小豆と砂糖ですが、製法の違いで名前が変わります。「つぶあん」は皮ごと砂糖と練り炊いたもの。「こしあん」は皮を取り除き、砂糖と練り炊いたもの。「ゆであずき」は皮ごと混ぜずに炊きます。小豆は栄養価が高く、食物繊維はゴボウの3倍もあります。サポニンはむくみ解消に効果的、ポリフェノールは赤ワインより多く含まれています。微量栄養素も豊富な小豆のチカラはおばあちゃんの知恵として代々受け継がれています。
味と辛さにこだわったからし
山清の前身である山下清三郎商店は大阪市で一味唐辛子を製造販売していましたが、1945年、戦禍により地元香川県に戻り、あんこの製造を始めました。その後、唐辛子の製造加工の実績を活かしてからし粉の製造を開始し「鬼からし」ができました。
山清は辛いからしが一番おいしいと考えています。家庭では40℃から60℃のお湯で粉からしを練るのがおすすめ、辛みがぐんぐん出ます。また、食用以外でも天然殺菌剤として湿布や食品のカビ止めなどにも使用されます。
あんこづくしのスイーツ
ひょうたんブロックメンバーが考案したスイーツ3種を作りました。あんこパフェは絹ごし豆腐、シリアル、つぶあん、白玉団子に、抹茶ソースときなこをトッピング。白あんおしるこは、白あんと同量の水であんこを溶き白玉をいれるだけ。あんサンドは食パンに新商品のあんバターを挟んでできあがり。余った白玉をはさんでもおいしい!山清の白玉粉で作った白玉はもちもち食感でのど越しツルン。あんこを思う存分満喫できました。大切に作られたあんこは格別においしい〜♡感謝を込めて、ごちそうさまでした。
Table Vol.496(2023年12月)