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食と農と環境

体験からはじめよう、バケツ稲でお米づくり

コープ自然派おおさか(国産オーガニックPJ主催)は、組合員とともに国産オーガニックを広げようと、2022年4月に「みんなでオーガニックくらぶ」をスタート。1年を通して行われたお米づくりの取り組みを紹介します。

 【2月】
キックオフイベントとして「カレーライスを一から作る」上映会を開催し、食べものをつくるとはどういうことなのかを学びました。映画のようにカレーをいちからつくることは難しいけれど、お米をいちから育てるのはどうかと発案し、都市部の大阪でも手軽に始められる「バケツ稲」を採用します。自宅のベランダや庭で「バケツ稲」のお米を育ててみませんかと「みんなでオーガニックくらぶ」部員を募ったところ、100名以上の応募がありました。応募者に小松島有機サポートセンターで用意してもらった「ツルをよぶお米」の種もみ(無農薬・消毒なし・品種はコシヒカリ)と育苗用の赤土、有機水稲育苗用みみず覆土の育苗セットを届けました。

バケツ稲は、自宅で体験しながら観察できるコンパクトな田んぼです。

 【4月】
オンラインミーティング「お米のおはなしと育苗セットの使い方説明会」を開催。バケツ稲経験者で小学校に出向いて環境学習の出前授業を行っている「NPO法人花と緑のネットワークとよなか」代表・高島邦子さんに稲の歴史やお米にまつわるお話をしてもらい、「ツルをよぶお米」の地域循環型農業の取り組みを紹
介。LINEのオープンチャットを開始し、田んぼで作業をする楽しみもみんなで共有しようと交流の場を設けました。稲の成長の様子をシェアしたり、困りごとの相談をしました。

 【7月】
オンライン交流会を開催。和歌山での「田んぼの生きもの調査」の様子を動画で紹介した後、交流会で土選びと日照時間が重要なことや、水をたっぷりあげることなど、やってみて実感することを共有。オンラインとはいえお互いの顔を見ながらの交流は、一緒にやっているという連帯感を深めました。

 【11月】
春の種まきから5か月ほど見守ったバケツ稲も稲穂が実り、稲刈りを終える頃、お米にするのに欠かせない「籾摺り(もみすり)体験会」をミニ収穫祭として企画。すり鉢に籾米を入れて軟式ボールを回しひねり、籾殻を取り分けます。バケツ稲をつくっていない人も実がうまくできなかった人も体験用の籾米で参加。籾摺りした玄米を白米に混ぜて炊いた、玄米入りごはんを試食しました。

 【12月】
お米を収穫してできた副産物の稲わらで「ミニしめ縄リースづくり」を開催。バケツ稲で育てた稲わらを持参する人や稲わらは初めてという人、また小さな子ども連れの組合員も多く、大盛況でした。

しめ縄リースは10分ほどで簡単につくることができます。稲穂やゴマのさや、南天の実などの飾りを付け、自分好みのアレンジも楽しめるとのことでした。

 春に始まったバケツ稲の米づくりは、収穫まで終えました。お米が遠いところでつくられ運ばれてくる感覚が、稲を育てることによって身近なものへと変化したことでしょう。今後もLINEのオープンチャットを継続しながら、バケツ稲に再挑戦する人、大豆を育ててお味噌づくりをする人、野菜を育てる人など、それぞれが好きなものに取り組み、発信や共有できればと検討しています。2~3年かけて手づくり度を上げていき、組合員同士が楽しんで行動することで有機農業への理解も深まればと考えています。

国産オーガニックPJ担当理事のみなさん。

Vol.481(2023年2月)より
一部修正

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