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生産者訪問・商品学習会

毎日楽しみたい、お家でゆっくりお茶じかん

2022年12月6日(火)、コープ自然派おおさか(おおさか南ブロック主催)は、西製茶所・西龍介さんを講師に迎え、お茶にまつわるお話を聴き、お茶のおいしい淹れ方のポイントを学びました。

※イメージ

安心なお茶ができるまで

 西製茶所は、島根県出雲市で1923年に創業。3代目にあたる龍介さんのお父さんが国産紅茶の製造に取り組み、現在は4代目の龍介さん夫妻とお父さんの3人でお茶を栽培・製造しています。

 出雲地方は、お茶の産地である静岡や鹿児島と異なり冬は雨雪が多く、積雪30㎝になる年もあります。冬を迎える前の茶葉は水分が少なく寒さに強くなっていますが、日本海側の雪は湿気を多く含むため、重さで木が折れてしまうことがあるということです。4月上旬になると水分を多く含んだ新芽が霜で凍結し枯れ落ちる心配があります。「収穫の時期になると茶畑はより一層美しく、いよいよお茶の1年が始まるという想いで気が引き締まります」と西さんは話します。

 お茶は挿し木によって苗を育て、定植してから7~8年かけてようやく茶葉を摘むことができます。近年、日照りや豪雨などの異常気象が多発し、害虫被害が発生することもあります。益虫が害虫を食べることもありますが、害虫が葉を食べ切ってしまった時は、枝を根元から切ることもありました。しかし、根が土に十分に張っていたため最初から育てるときの数倍の速さでもとに戻り、土が健康であることは大事なことだと実感したそうです。

 西さんの畑では、紅茶に使う生姜やレモングラスなども自家栽培しています。アールグレイの原料となるベルガモットオレンジの実もたわわに実りました。これを乾燥ピールにして細かく砕いたものを紅茶の茶葉とブレンドし、西さんの夢でもあった国産アールグレイが完成しました。

西製茶所の西龍介さん。おしゃれな前掛けは、西さんのお母さんがちりめんの着物をリメイクしてつくったものだそうです。

お茶の淹れ方のポイント

 お茶は苦味と甘味と香りのバランスで味が決まります。苦味・渋味成分を持つカテキンとカフェイン、香りはお湯の温度が高いほど抽出されやラックス効果がある甘味成分のテアニンはお湯の温度と関係なく一定量が抽出されます。

 煎茶のお湯の温度は、70~80℃を目安にします。沸騰したお湯をやかんから急須に移すと約10℃下がり、急須から茶碗に注ぐと10℃、最後に茶葉を入れた急須に注ぎ、3回移し替えると適温になります。「50℃だと甘みがあって香りは弱く、95℃だと渋みが強く香りが高いといった具合ですが、自分のその時の好みによって淹れてみてください」と西さんは話します。

 お茶は最後の数滴に味が凝縮されるので、最後の一滴まで注ぎましょう。注ぎ切るためにお湯の量を測っておくことと、ティーバッグの場合はお湯にそっと入れ、ゆっくりじわっと色が染み出すまで約30秒~1分、タイマーで正確に計ります。日本茶のティーバッグは細かい茶葉を使用しているものが一般的ですが、西製茶所はあえて茶葉を加工せず、香りが広がるように三角型のティーバッグを使用しています。紅茶の場合も最後の数滴(ゴールデンドロップ)を大事に注ぎきって飲みましょう。

 2人分以上のお茶を淹れるときは、濃さを均等にするため、廻し注ぎしてください。ティーバッグは絞るとえぐみがでるので、そのままそっと上に引き上げます。2煎目のお茶を淹れる時は、急須に入っている茶葉をほぐし、蒸れるのを防ぐためにふたを開けておくとまたおいしいお茶が楽しめます。

 熱いお湯でカフェインを出したお茶を飲むとシャッキリします。子どもには低い温度で淹れるか2煎目以降を淹れ、ほうじ茶や玄米茶がおすすめです。玄米茶はくず米を使うことが多いのですが、西製茶所の玄米茶はそのまま食べることのできる、出雲地方で栽培された無農薬のお米を使った炒り玄米を入れているので、特に香ばしさを楽しんでもらえるとのことです。

 「高級で特別なお茶より家で毎日飲むお茶をつくりたいと考え、安心して飲んでもらえるよう農薬や化学肥料を使っていません。みなさんがお茶を楽しむ様子を想い浮かべながら日々のお茶づくりに励んでいます」と西さんは話しました。

「温かいお茶が恋しくなるこの季節に、西さんのイベントが開催できて嬉しいです」と話すおおさか南ブロック活動組合員メンバー。

Vol.481(2023年2月)より
一部修正

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