Table(タブル)はコープ自然派の情報メディアです。

くらしと社会

原発・核燃からの撤退を!

2022年11月26日(土)、エルおおさか大ホール(大阪市)にて「原発・核燃からの撤退を!2022関西集会」が行われました。
この集会にはコープ自然派おおさか、コープ自然派兵庫が賛同しました。

ウクライナ出身のカテリーナ・グジーさんのパンドゥーラ演奏と歌。

歌とパンドゥーラの演奏

 オープニングは、ウクライナ出身、カテリーナ・グジーさんの歌とパンドゥーラの演奏。ウクライナの子守歌「幸せの鳥」の歌詞の一節「植物を切らないでください、お花を切らないでください、そのお花はもしかして誰かのお母さんかもしれない」「動物を殺さないでください、鳥を殺さないでください、その鳥はもしかして誰かの愛かもしれない」が会場に響きます。

 カテリーナ・グジーさんはチェルノブイリ原発から2.5㎞のところで生まれ、原発事故によって生後2ヵ月でキエフに避難しました。しかし、「放射能がうつる」などと言われ、小学校でも友だちがなかなかできなかったということです。その後、音楽グループに入団し、10歳で初来日、二度目の来日は12歳の頃で、美しく平和な日本で本格的な活動ができればいいなと夢見たとのこと。その後、何度も来日し、音楽専門学校を卒業後の2006年にパンドゥーラ奏者として日本で本格的な音楽活動を始めました。

 2022年2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻が始まりました。二人の姉と親戚の人たちは今もウクライナで暮らしています。「罪もない赤ちゃんが殺され、動物も殺され…」とカテリーナさんは、ウクライナの第二の国歌「ウクライナ」を切々と歌います。そして、「今、私の願い事が叶うならば」で始まる「翼をください」、最後は日本は第二の故郷だと「ふるさと」を歌いました。悲しみをたたえて深く澄んだカテリーナさんの歌声、歌詞の一語一語が参加者の心に染み入る40分間のライブでした。

危険な核燃料サイクル

フリージャーナリスト・守田敏也さんの報告「使用済み燃料プール火災の恐怖」では、福島原発事故後、4号機のプールの燃料溶解と火災が発生する寸前だったという厳しい状況が報告されました。4号機が最悪の事態となっていたら、東日本は壊滅の危機に陥っただろうと。そして、「とにかく大事なのはプール火災の可能性があるすべての原発を止めて、一刻も早く安全管理を目ざすこと」と守田さんは訴えました。

 続いて、ルポライター・鎌田慧さんの講演「再処理工場の危機的な状況」。核燃料サイクルを実現するには高速増殖炉と再処理工場の稼働が欠かせません。しかし、高速増殖炉「もんじゅ」は65年間かけても稼働できず、加えて深刻なナトリウム漏洩火災事故を起こしました。核燃再処理工場は青森県六ケ所村に建設され、2009年2月に稼働を予定していましたが、トラブル続きで23回も延期しています。この延期の間に建設費用は当初の7800億円から2兆2000億円へと3倍にも膨らんでいます。そして、核燃料サイクルには13.2兆円もつぎこまれましたが、機能しないまま今日に至っています。

 若狭からのアピールは中嶌哲演さん。福井県にある美浜3号機は稼働から40年を超えた原発です。しかし、福島原発事故後の新規制基準のもとで全国で初めて再稼働されました。同様に40年を超えた高浜1号機は2023年6月、2号機は同年7月に再稼働が予定されています。若狭の原発からつくられる電気の大半を使っているのは関西圏の人たちです。

鎌田慧さんは核燃料サイクルの危険性について言及し、原発は絶対にやめるべきだと訴えます。
講師の守田敏也さんとコープ自然派組合員のみなさん。

Vol.480(2023年1月)より
一部修正

アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
MONTHLY
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3

アーカイブ

関連記事

PAGE TOP