たぶん10年以上前のこと、何気なく観ていたテレビ番組で緑豊かな渓谷を登り、キラキラの水がほとばしる滝の上からジャンプして飛び込む遊びが紹介されていた。秘境の美しい滝つぼで、無心にプカプカ浮かぶ人の映像に私のハートはギュギュっと鷲掴みにされ、それ以来「キャニオニング」は、いつかやってみたいリストでくすぶっていたのです。 とは言いながら、各種アレルギー持ちで、地黒のくせに紫外線に弱く、自分の汗にもカブレる軟弱肌体質ゆえ、南の島への旅は春秋限定。万年ダイエッターでカッコ悪くて水着も着られないし、夏の水辺アクティビティなんてムリ~!と諦めていました。が、友人の「夏にしか見られない景色や遊びがあるのに、今行かなくてどうするの!!アクティビティによっては、60歳未満って年齢制限もかかるんやで!」って誘い文句にドキっ。ヤバい、年齢制限ギリギリやん(汗)。

 コロナの状況が読めないなか、憧れの西表島への飛行機をおさえ、ごはんが美味しいと評判の旅館を予約し、行きたかった島料理のお店の夕食席もゲット。カヌーやキャニオニングのツアーも申し込み完了。そして、春先から毎日少しずつ日焼けの練習を重ね、6月には日焼け止めなしで庭いじりする野蛮生活が可能な肌になりました。

 コロナ第7波は来る前でひと安心と思いきや出発直前に台風襲来。飛行機やフェリーが運休にならないか気をもんだけど、何とか予定通り島に上陸。まぶしい太陽と絵の具を塗ったような青空。元気いっぱいの植物たちの緑の匂いが濃密にたちこめ、道端にはたわわに実をつけたバナナの木や、首輪でつながれた山羊もいる。ひゃっほージャングル、これぞ南国!宿は気さくで温かいオーナーさんのおかげでとても居心地よく、旬の島食材たっぷりの朝夕の食事(二期作の西表ではもう新米)は家庭的で幸せな美味しさ。イリオモテヤマネコには出会えなかったけど、天の川やサガリバナを観たり。牛車で浅瀬を渡り、島全体が熱帯植物園のような由布島をお散歩したり。店主さんが自ら釣った魚や自家栽培の野菜を丁寧に愛おしむように料理したことが伝わってくる素晴らしい夕食を堪能したり。ただただ幸せな時間ばかり。メインイベントのキャニオニング初チャレンジはね、大人になってからこんなに遊ぶことに没頭したのは初めてってくらい、200%楽しみきった♪ イノチミジカシ、アソベヨオトメ。「いつかやりたい」なんて言ってないで、全力で叶えていこうと心に誓った夏でした。うん、そのためには仕事も頑張るっ!

プロフィール
料理研究家。食品メーカーで新製品開発等に従事したのち、料理研究家・古川年巳氏に師事。わかりやすいレシピと、野菜をたっぷり使ったヘルシーで簡単な料理に定評がある。アトピーっ子のための簡単な除去食メニューも得意。コープ自然派奈良元理事長。

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 Vol.471(2022年9月)より
一部修正・加筆