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連載

わくわくキッチン「防災ごはん②」うのまきこ

 豪雨災害がおきたのは先月の記事を入稿して間もなくのことでした。今回も西日本広域に大きな被害が出てしまい、報道される映像に言葉を失いました。コープ自然派の関係者のみなさまはご無事でしょうか?今困難な状況におられる方には、お見舞いなんて表現では足りませんが、どうか早く心も体も休まる暮らしに戻れますように。そしてこんな時は、使途不明瞭な所に寄付するよりも、商品発注と一緒にコードを書くだけでコープ自然派仲間の助け合いに使ってもらえる被災義援金のシステムがありがたいなと思います。

 正直言って大洪水の猛威を見てしまうと、無力感に襲われ、先月予告した「電気が切れた冷蔵庫の食材を無駄にしないコツ」なんて意味ないんじゃ?とも思いました。が、実はこの保存法、我が家の冷蔵庫が真夏にいきなり壊れた時の経験から考え始めたものなので、災害以外の場面でもお役に立てるかもと書くことにしました。もし、そんなことしてる場合ちゃうねん!と不快に感じる方がおられたらお許しください。

 冷凍庫の生肉・生魚は溶ける前に調味料をからめます。例えば鶏モモ肉なら、1枚(300g)当たり塩麹(保存食作りに超おススメ)大さじ2(30ml)を表面に塗ります。余力があれば、カレー粉や七味唐辛子などスパイス類を加えると、香辛料の効果で保存性も味も良くなり一石二鳥。他にも、味噌+三河みりん(本みりん)を同量合わせた味噌ダレや、しょうゆ+日本酒+三河みりんを同量合わせた照り焼きダレに漬けるのもあり!ブロック肉やブリなどの切り身魚も同様です。ミンチ肉は100g当たり小さじ1/3程度の塩とたっぷりの胡椒など好みのスパイスをまぶして袋に。解凍しちゃったら塩が満遍なく混ざるように袋の上からもみ込みます。イワシやサンマのフィレなど干物にできそうな魚類は、ビニール袋に氷+氷の重量の5%の塩と一緒に入れて塩水漬け。常温になって半日経ったら干物用の網などで好きな加減まで干します。これらは全部、凍ったままで手早く作業し、ポリ袋に入れて、空気を抜いて袋を閉じてから冷凍庫に戻し、食材自体の冷気でなるべく長く保冷。私は冷凍庫の空きスペースに保冷剤もたくさん入れています。こうして保存したものは、七輪で網焼きや、フライパンにアルミホイルを敷いてカセットコンロで焼けばOK。ミンチ肉は袋に乾燥野菜と水分(牛乳、豆乳、卵、豆腐でも)やパン粉も加えて袋の上からもみ混ぜ、小さく丸めて(ビニール袋を手にかぶせれば汚れない)ミニハンバーグに。防災ごはんも美味しい方が元気が出るから。時々練習してみませんか?

うのまきこ|UNO Makiko
日本の伝統食を考える会会員。食品メーカーでアイスクリームなどの新製品開発等に従事したのち、料理研究家古川年巳氏に師事。わかりやすいレシピと、野菜をたっぷり使ったヘルシーで簡単な料理に定評がある。アトピーっ子のための簡単な除去食メニューも得意。奈良県在住。

Table Vol.374(2018年9月)

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