Table(タブル)はコープ自然派の情報メディアです。

連載

わくわくキッチン「日常がおいし過ぎる罪〜前編〜」うのまきこ

イラスト/ 友野可奈子

 山陰地方に行ってきました。今回はずっと車移動なので、絶対行きたいスポットと宿だけを決め、後は出たとこ勝負の気まま旅。灯台マニアのダンナのプランは出雲大社参詣と、日本一の高さを誇る灯台や島根城を見学する2泊3日。私は鳥取と島根の区別もつかない地理音痴な上に下調べの時間がとれず、ずっと行きたかった足立美術館以外はお任せ状態で出発です。早朝車に乗りまず考えたのは今日のランチ。旅先の食事は回数が限られるゆえ、いつも以上に一食入魂です!食いしん坊なので国内あちこちの県の有名な郷土料理や名産品は頭に入っているはずなんだけど、今回は知識乏しく「カニ」「干物」「日本海の鮮魚」と解像度低めのコトバしか思いつかない。カニは季節外れな上に好物でもないし(取り出した身を殻の中に美しく並べてあったら喜んで食べる派笑)、とりあえず漁港に行けば美味しいお魚にありつけるだろうと境港に向かいます。が、ノープラン党にはよくあることで、良さげなお店は定休日か、すでにお昼の営業終了。おなかペコペコ困り果て、ローカルの回転寿司屋さんに突入すると、期待以上に当たり♪お寿司はオーダーしてから作ってもらえるし、地物鮮魚メニューも豊富。あら汁もしっかり美味。満腹満足で近くのお土産屋さんを冷やかすと「あご野焼き」(トビウオを使ったチクワらしい)と書いたでっかいチクワがズラリ。夕食後の部屋飲みアテに買うかどうか迷いましたが、食べきる自信なく断念。

 腹ごなしに「水木しげるロード」を散歩して、宍道湖の景色を愛でながらドライブ、出雲大社にほど近い海岸沿いにある本日の宿へ。「料理旅館」の看板のその宿の夕食は2人分とは思えない量の豪華な刺身盛りの他に茹でカニや小さなフグの小鍋、白子、ウナギのかば焼き、魚の串カツなどなど竜宮城の様なごちそう攻め。ただ建物が旅館とは思えないアレな状態だったことは言わないでおきましょう。朝食には干物や例のチクワも出てきました!悪くないけど…コープ自然派のアジの開きの方が好き。

 宿を出て地元の立派な神社や美しい灯台を見学(163段も階段を登りました)、いざ出雲大社へ。親しみやすい雰囲気ながらも何とも言えぬ威圧感も感じる気持ちの良い境内をぐるりとお詣りした後は、出雲そばだよね。ざっくり調べて江戸時代から続く老舗へ行ってみよう!行列にもめげず順番を待ち「割り子そば」と朝食で納得できなかった「あご野焼き」を注文。うーん?思った味ではないなあ。

…後編へ続く…

うのまきこ| UNO Makiko
料理研究家。食品メーカーで新製品開発等に従事したのち、料理研究家・古川年巳氏に師事。わかりやすいレシピと、野菜をたっぷり使ったヘルシーで簡単な料理に定評がある。アトピーっ子のための簡単な除去食メニューも得意。コープ自然派奈良元理事長。

Table Vol.503(2024年7月)

アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
MONTHLY
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3

アーカイブ

関連記事

PAGE TOP