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くらしと社会

食品添加物の無添加・不使用表示ができなくなる?!

※イメージ

 2022年5月30日(月)、食品表示問題ネットワークは「第4回食品添加物の無添加・不使用表示について国会議員を招いての意見交換会(ライブ&オンライン)」を開催しました。昨年6月、食品表示問題ネットワークは、「食品表示について市民の声を聞く院内+オンライン集会」(食の安全・安心を創る議員連盟主催)で報告・アピールを行った消費者・生協・製造者によって設立、コープ自然派も協賛団体として参加しています。

 3月末、消費者庁は「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」を定め、4月から2年間を経過措置期間に設定しました。これは、食品添加物の無添加・不使用表示を厳しく規制するためのもので、“化学調味料”“合成保存料”など一般的に使われている用語を禁止するなど理不尽な内容になっています。ガイドラインに法的拘束力はなく、食品添加物をまったく使用していない商品に“無添加”と表示しても罰せられません。しかし、「ガイドラインに該当しても事実であれば、ただちに規制されるものではない、規制は“ケース・バイ・ケース”で判断する」と消費者庁は説明。禁止の範囲が曖昧なため、生産者が自粛することが懸念されます。

 会場では食の安全・安心を創る議員連盟の国会議員や消費者、生協、製造者から報告があり、コープ自然派を代表してコープ自然派事業連合・松尾副理事長は「コープ自然派は、組合員の選択する権利を担保するために、情報公開を大切にしています。食品添加物は国が定める基準を満たしていても長期的・複合的な摂取による影響は不明です。食品添加物を摂りたくないという組合員の声を守るために、全原材料表示を行い、生産者には食品添加物を使用しない商品開発をお願いしてきました。原材料表示が事実であることを確認した上で、今まで同様に表示を続けます。本来、消費者庁は消費者を守るためにできた省庁であったにも関わらず、企業の利益を守る動きに、強い憤りを感じます。私たちの権利が奪われないよう、声を上げていきたいです」と発言しました。

 続いて、ジャーナリスト・天笠啓祐さんから食品表示の現状と今後の問題点について報告。

 食品表示制度は農林水産省や厚生労働省など管轄が分かれていましたが、2009年に消費者庁が発足し一括されました。それに伴い、2015年に食品表示法が施行され、毎年、食品表示基準の見直し検討会が行われます。2022年4月の原料原産地表示、2023年4月の遺伝子組み換え食品表示の新制度(不使用表示を事実上規制)、2024年4月の食品添加物の無添加・不使用表示規制の施行が続きます。「今回の食品添加物の無添加・不使用表示規制は食品添加物業界から提案されたもので、表示制度の改悪です。どのような技術が使われているか製造過程の表示が重要で、環境に悪いものを表示させるという考え方も必要。食品表示を消費者の知る権利・選ぶ権利に変えていく取り組みを進めなければなりません」と天笠さんは話しました。

 そして、日本消費者連盟事務局長・纐纈美千世さんから下記の集会アピール(一部抜粋)が行われました。

○ 消費者は食品を選ぶ確かな目を持つようにしましょう。食品添加物を減らし、それを表示する事業者を応援しましょう。食品表示改善のための運動を広げましょう。

○ 食品添加物の不使用・削減を追求している事業者はガイドラインに臆することなく、不使用表示を続けましょう。これまで食品添加物を使っていた事業者は、不使用・削減に一歩を踏み出しましょう。

○ 本来の無添加・不使用表示を制限しないよう、問題の多いガイドラインの見直しを求めます。食品添加物、遺伝子組み換え、原料原産地の表示を消費者に分かりやすく改定を求めます。またゲノム編集食品の表示義務付けを求めます。

Table Vol.468(2022年7月)より
一部修正・加筆

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