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くらしと社会

子どもの成長を支えるおもちゃ

2022年2月21日(月)、コープ自然派しこく・えひめセンター(東予エリア主催)は「絵本とおもちゃのおはなし」を開催。ヨーロッパの木のおもちゃと絵本の店「ウォルナットグローブ」(今治市)店長・菅美紀さんが楽しく遊びながら発達を促すさまざまなおもちゃを紹介します。

※イメージ

ファーストトイを選ぶ

 「赤ちゃんへの初めてのおもちゃはモビールがおすすめです。天井からつるすタイプは、ゆらゆらと揺れる動きが視覚の発達を促します。メリーゴーランドのように自動で回るタイプは、赤ちゃんが喜んでいるように見えますが、実際は興奮状態になっているだけです。赤ちゃんは視力が未発達なので、ゆっくり動くものや原色を使ったものがいいでしょう。また、動物、花、乗り物などのモチーフについて話しかけるといいですね。

 握るおもちゃもひとつ用意しましょう。乳児(1歳未満)は反射的につかもうとするので簡単に握れるもの、また、音に敏感な時期なので木の素材を選びましょう。

赤ちゃんも遊べる積み木

 シンプルな立方体の積み木は創造力が必要で、3歳以上が対象になります。「リグノ」(スイス・ネフ社)は中央に穴があいた5cm角の立方体と、その穴にぴったりとはまる円柱、半円柱の3つのパーツで構成され、0歳から遊べます。目で見る空間と手の協調性を育て、色を揃える、パーツ同士を打って音を出すなど楽しみ方はさまざま。1歳半くらいから自分の背より高く積みはじめ、2歳で同じ形のものを集める秩序感が育ちます。ブロックも積み木と同じように構成する遊びですが、固定して組み立てるブロックは崩れることがありません。最初はバランス感覚を養う積み木がおすすめです。

気持ちの休まるおもちゃ

 「トレインカースロープ」(ドイツ・ベック社)は、木の車がスロープをゆっくり滑り落ち、ひっくり返ってまた滑り落ちるを繰り返すおもちゃです。子どもはゆっくり動くものを目で追うことで気持ちが落ち着き集中して遊びます。幼児から小学生が積み木やパズル、ゲームなど頭を使う遊びの合間にトレインカースロープで遊ぶ姿もよく見られます。

バランス感覚を育む

 2、3歳になったら指先を使うおもちゃを選びましょう。「ホルツステッキ」(ドイツ・エゲルマン社)は、無数の穴が空いたボードの上にカラフルなパーツを並べていく遊びです。絵を描くように、ボードをキャンパスにパーツを並べ、想像を膨らませることができます。地味な作業ですが達成感が味わえ、さまざまな可能性を秘めています。

 楽器は感覚のおもちゃであり、音を聴くことの大切さを学べます。「グロッケン」( スウェーデン・アウリス社)は美しい音色が心地よく響く鉄琴です。成長とともに小さい音の素晴らしさを理解し、友だちの小さな声に耳を傾け静かに話す力が育まれるでしょう。

ルールを学び楽しむ

 2歳半頃からボードゲームが楽しめるようになります。「うさぎのニーノ」(ドイツ・ペガサス社)というボードゲームは大雨で水浸しの巣穴からうさぎを救出する物語ゲームです。ゲームは、サイコロを振る順番や待つといったルールが学べます。自分の思い通りにならず、怒って途中で投げ出すという行動は、子どもとして自然なこと。子どもが成長するのを待ち、少しずつ慣れて最後まで楽しめるようになるのを見守りましょう。おもちゃは子どもが成長する助けになり、大人にできるのは待つことだけです。

手仕事の始まり

 3歳半頃からものづくりを始めましょう。「Y字リリアン」(ドイツ・ウールマニュファクチャー社)は、小さい手にも持ちやすく、指で簡単に編むことができます。楽しく取り組め、マフラーなどもつくれて、達成感や作品を披露する満足感が得られるなど、実りが大きい遊びです。

子どもだけが持つ心

 「サンタクロースの部屋」(松岡亮子/著 こぐま社)は絵本との向き合い方が書かれた大人に読んでほしい本です。東京子ども図書館の創設者である松岡享子さんは、幼い日にサンタクロースの存在を信じることは目に見えないものを信じる力があると著しています。その力は人の気持ちを想像することにつながり、人への慈しみに成長すると教えてくれます。

 いいおもちゃを探すことはいい絵本を探すことにもつながり、それは子どもたちに居心地のいい環境、生活をもたらします。ゆとりをもって子どもの成長を楽しんでください。

「人生の根っこの部分をつくる0~1と信頼関係を育むことがとても大切です。おもちゃや絵本はその助けとなることを25年間続けてきた仕事を通して実感しています。」と菅美紀さん(コープ自然派しこく)。

Table Vol.464(2022年5月)より
一部修正

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