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くらしと社会

第10回さようなら原発1000人集会 原発のない明日をつくる!

2021年12月26日(土)、第10回さようなら原発1000人集会がいたみホール(兵庫県伊丹市)にて行われました。今回のテーマは「原発のない明日をつくる!」。コープ自然派兵庫はこの集会の呼びかけ団体のひとつです。

 福島原発事故からまもなく11年目を迎えようとしています。この集会は、福島原発事故後、原発がすべて廃炉になるまで続けようとスタート、今回は、原発に頼らない暮らしをどのように実現するかという視点から集会の準備をすすめてきました。

 最初に、田中優子さん(法政大学名誉教授)が「江戸から見る日本」をテーマに講演。田中さんは江戸時代を「グローバリゼーションに独自に対応した時代」「内戦も国外との戦争も回避した時代」「循環システムの整備により、持続可能な社会をつくり上げた時代」「大量の職人を輩出し『ものづくり日本』を創造した時代」だと定義します。江戸時代の日本は鎖国政策で資源の出入りがなく、再生可能な資源を最大限生かしました。食べものや着物は最後まで使い切り、土地に応じた油を使った照明がありました。そんななかで独自の循環型社会が形成され、たくさんの書物や絵画、工芸品が育まれました。私たちは今、暮らしを見つめなおし、新たな価値観を創造しなければならないのではないか、新たな国づくりを目ざさなければならないのではないか、エネルギーについても新しい発想が必要なのではないか、そんなことを江戸時代のたくさんの資料を用いて田中さんは訴えます。

田中優子さんは、2000年に「江戸百夢」でサントリー学芸賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。TBSサンデーモーニングのコメンテーター、「週刊金曜日」編集委員などを務めています。

 続いて、松下照幸さん(美浜町議会議員)の「原発現地報告~若狭から」。松下さんは原発を受け入れた小さな町の苦悩と現状について話します。町のほとんどの産業が原発に関わり、声を発することができない町民、松下さんはそんな町の中で「自分一人でやる」と決めて反原発運動に携わってきました。しかし、「反対」だけでは原発は止められないと考え、「地消地産」システムを提唱。美浜町にあるエネルギー、食、住宅分野の「地消地産」をすすめて、原発に代わるものや仕組みづくりを提案できる力量が必要だと、(株)森と暮らすどんぐり倶楽部を設立、地域の資源を生かした事業を展開しています。「脱炭素の条件はローカルにあり、ローカルが中央をリードする気概を持とう」と松下さん。そして、都市部の消費者と連帯し、都市と立地の本格的な交流を提案しました。

 市民アピールでは、原発賠償ひょうご訴訟原告・牧奈緒美さん、関電株主代表訴訟原告・滝沢厚子さんに続いて、コープ自然派兵庫・正橋理事長がコープ自然派の脱原発の取り組みを紹介しました。

コープ自然派兵庫・正橋理事長は、商品の放射能測定と徹底した情報公開、各生協の学習会・講演会、原発現地を訪ねるツアーなどコープ自然派の取り組みを紹介。

Table Vol.458(2022年2月)より
一部修正

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