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くらしと社会

映画「医学生 ガザへ行く」上映会

2024年6月28日、コープ自然派兵庫(ビジョン未来)は映画「医学生ガザへ行く」の上映会を開催。映画の後、主人公リッカルドが視聴者に向けたメッセージ動画を視聴しました。

主催したコープ自然派兵庫理事の皆さん(左から塩見さん、進行を務めた川中さん、田中さん)

ガザ地区をより身近に

 映画「医学生 ガザへ行く」は、救急外科医になる夢を叶えるためにガザ地区に留学したイタリア人医学生リッカルドの葛藤や成長を描くドキュメンタリーです。

 上映前に、進行を務める川中さんがガザ地区ついて、「神戸市の北区を除いた六甲山から瀬戸内海までの面積が、ガザ地区の面積です。そこに220万人が住み、北側の六甲山、東側の芦屋市、西側の明石市との境に高い壁が立てられ、外に出られない状態です」と説明します。人口の45%が14歳以下の子どもで、平均寿命は18歳。トイレは800人に一つ、シャワーは3000人に一つという衛生面でも劣悪な状態です。

夢は救急外科医になること

 救急外科医をめざして欧州から初の留学生となるリッカルドは「天井のない監獄」と呼ばれるガザに行きます。入国は簡単ではなく、イスラエル、パレスチナ自治政府、ハマスの3機関からの審査と許可を得るのに相当な時間を要します。映像は、メディアではほとんど見ることができないガザの日常や文化的な違いなども浮き彫りにします。リッカルドは不安やストレスに潰されそうになりますが、同じく医師をめざす医大生サアディなどのパレスチナ人の若者たちに支えられながら共に過ごし、自分の居場所を見つけていきます。しかし、待っていたのは衝撃の体験。イスラエルとの紛争が始まり、至近距離で爆撃を受けながらも、緊迫する救急医療の現場へと飛び込み、救急外科医になる決意を固めていきます。

平和を求めましょう

 上映会後、ユナイテッドピープル代表関根健次さんがリッカルドにインタビューする動画を視聴しました。リッカルドは研修医としての近況を報告し、視聴者に向けてメッセージを伝えます。

リッカルドより日本の方々へ
 今ガザで起きていることは言い表せないほどで、〝大虐殺〞〝ジェノサイド〞〝罪なき民間人の殺害〞いずれにせよ状況は悲惨です。僕が願っているのは、世界中一人ひとりの意識が変わることです。ガザ支援に貢献することの重要性を考えてほしいです。

 ガザで起きている戦争は昨年始まったのではなく、何十年も続いています。イスラエルとパレスチナが和平をめざして結んだオスロ合意は30年以上前です。本来であれば、今頃ガザでもテルアビブでも30年続く平和を祝っていたでしょう。しかし現実は真逆です。僕はこの失敗を皆さんと直視したい。我々は過去と現在の過ちを正すべきなのです。イスラエルへの武器供給を決めているのは各政府です。武器供給をやめさせればガザ市民が守られます。武器を引き揚げてこそ、本当の意味でガザの状況を変える事ができます。そのために各々の政府に訴えかけてください。

 そして平和を求めましょう。我々新しい世代は、幸運にも戦争を経験していません。世界大戦を経験した祖父母たちが身を挺して平和を築いてくれました。でもここ数年は各国の姿勢が変わり、昔の攻撃的なムードに戻りつつあります。これは誰にとっても悲惨なことです。我々は国や地域を問わず世界に生きる市民として平和を享受し、求める権利があるのです。

めぐるdeシネマ

 コープ自然派兵庫では月に1度、活動拠点「つどうスペースめぐる」で映画上映会を開催しています。春にはガザ特集を組み、「ガザ・サーフ・クラブ」「ガザ素顔の日常」「医学生 ガザへ行く」の3本を上映しました。シェアタイムでは「事実を知っていかないと!と思った」、「国連が人権を守る強い姿勢が必要」など、映画を観る前と後ではまるで違う感情を持ったという人がほとんどでした。

Table Vol.505(2024年9月)

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