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生産者訪問・商品学習会

FASHION×CHARITY

2021年10月20日(水)、コープ自然派京都(ビジョン暮らすこと主催)はチャリティー専門ファッションブランド「JAMMIN」(京田辺市)を訪問、西田太一さんに立ち上げの経緯や活動への想いを聴きました。

●既存にはない挑戦と工夫

JAMMIN合同会社・西田太一さんは、障がいのある人が農業を中心として働く就労継続支援B型事業所「三休」も運営しています。

 西田さんは大学の理工学研究科でまちづくりを学び、スリランカで水問題やカースト制度など途上国の現実に直面します。その後、ミャンマーで30年後のまちづくりを考える国家プロジェクトに携わりますが、目の前の社会問題を解決するために活動する団体を支援しようと30歳でJAMMINを立ち上げました。

 JAMMINはNGO・NPO団体とコラボしてつくった衣類を販売し、1商品あたり700円(売り上げの約20%)をチャリティーしています。一般企業の利益が3~5%のところ、20%を寄付するのは簡単ではありません。しかし、可能な限りチャリティーできるよう広告宣伝費をかけず、無店舗でネット販売を行い、受注生産により在庫リスクゼロで対応しました。SNSが発達している今だから可能なビジネスだということです。また、コラボ団体を週替わりにすることで、1つでも多くの団体を知ってもらい、その活動と社会問題を紹介したいと考えています。

 大量生産・消費、海外生産、ファストファッションが台頭し低価格化が進むアパレル業界ですが、JAMMINは品質と国産にこだわります。設立当初はアパレル出身スタッフがいないなか、商品を海外で製造し多くのB級品が発生してしまいました。コットンの大半は中国、インドなどでつくられています。オーガニックコットン価格が高騰していますが、トレーサビリティ(製品がいつ、どこで、誰によってつくられたのか)も重要視しているので次のステップとしてオーガニックコットンへの切り替えを進めています。

「おしゃれなチャリティーから新しい社会活動への道筋ができるのではないかと、期待を込めて企画しました」と進行役のコープ自然派京都・大塚理事。

●さまざまな社会を表現する

西田さんと参加者のみなさん。後ろの建物にはJAMMINの文字が描かれています。

 JAMMINはこれまでに380団体とコラボし、6300万円を寄附してきました。「NPO法人・吉備高原サラブリトレーニング」は、競馬で活躍した引退後の馬をリトレーニングして乗馬クラブや牧場などで第二の人生を幸せに暮らせる活動を行っています。Tシャツには「毎日陽が昇るたび、あなたの人生は新しく始まる」を英文でデザインしました。また、不登校や中退、経済的に困難な10代の人たちを孤立から救おうと、NPO法人D×P(ディーピー)とコラボしたTシャツは翼のデザインが印象的です。

Tシャツはシルクスクリーンという方法で1枚ずつ手作業で印刷されています。

 アメリカでの個人寄附額は人口3億人に対して約30兆円。チャリティーをステイタスとし、支援や応援を楽しむ雰囲気があるとのこと。一方、日本は人口1億人に対して1兆円を下回っています(寄付白書2017)。そして、教育・研究・国際協力分野での寄附額は高く、権利擁護・雇用促進は極端に低い傾向があります。「社会問題に優劣はなく、等しい問題としてとらえなければなりません。知ってもらうことが大切、すべての分野を紹介したいと挑戦しています」と西田さんは話しました。

Table Vol.456(2022年1月)より
一部修正・加筆

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