菜種の産地で地場産業として製油業が盛んだった福岡県。平田産業はその地で1902年に搾油業を創業。生産者の顔が見える非遺伝子組み換え菜種(以下NON-GMO)原料だけを使い、贅沢な圧搾一番搾りの油をつくり続けています。今回は自然派Style一番搾り純正なたね油への想いを聞きました。
──自然派Style一番搾り純正なたね油のこだわりは?
平田 昔ながらの菜種に圧を加えて絞る「圧搾法」でつくっています。手間や時間がかかり取れる油の量も少ないのですが、菜種の風味がギュッと詰まっています。原料はオーストラリア産のNON-GMO菜種のみ。オーストラリアで専用コンテナに積み込まれた菜種は平田産業に運び込まれて初めて開封するため、他の菜種が混入することはありません。
──「圧搾法」の油のつくり方は?
平田 焙煎した菜種に圧をかけて出てきた油に、食酢を加えて不純物を除去し、油をお湯で洗ってきれいにします。一般的にはN-ヘキサンという溶剤を加えて油分を溶剤に移し蒸留する「抽出法」が用いられ、製油工程ではリン酸やシュウ酸などが使用されます。その抽出法では10時間程度で製品になりますが、一番搾りは1週間かけて製油しています。
──NON-GMO原料の調達は?
平田 NON-GMO菜種油の原料は、次第に確保が難しくなってきています。国内で生産する油の原料の菜種は99%が輸入で、輸入菜種の約90%はGMOです。輸入先のオーストラリアは2019年まではGMO栽培を禁止していましたが、その後の情勢は流動的です。平田産業は2006年からはオーストラリアの生産者と国際産直の契約を結び、作付、肥料、農薬散布などのチェックと交流を重ね、顔の見える信頼関係の中でNON-GMO菜種の確保をすすめています。
──国産菜種油も開始したそうですね
平田 かつて100%だった国産菜種油の自給率は現在0.1%以下にまで落ち込んでいます。復活のために2010年から国産菜種の搾油を開始し、2011年には国産菜種サラダ油で初めて有機JAS認定を取得しました。また、オリーブ油も国産をめざして九州で9万本を植樹していています。
Table Vol.506(2024年10月)