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くらしと社会

若者たちの声を聴こう!

気候危機に対して若者たちが活発に活動しています。2021年9⽉10⽇(⾦)、コープ⾃然派京都は、「Fridays For Future Kyoto」メンバーに活動のきっかけや想いを聴きました(オンライン)。

※イメージ

●世界に広がる気候マーチ

 2018年8⽉、当時15歳だったスウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんは気候変動に抗議して、たった1⼈でスクールストライキを始めました。彼⼥のアクションは世界の若者たちの共感を呼び、毎週⾦曜⽇に学校を休んで気候変動対策を訴える「気候危機と未来のための⾦曜⽇(Fridays For Future)」へと広がりました。

 ⽇本では2019年、「Fridays For Future」は東京からスタート。2⽉22⽇に国会議事堂前で15⼈がスタンディングとスピーチを⾏いました。世界の動きと合わせて、3⽉15⽇に⾏われた東京と京都のマーチには約300⼈参加。3回⽬のマーチは東京と京都で約450⼈参加、そして、2019年9⽉20⽇から1週間、世界同時に⾏われた「Globa lWeek for Future」(グローバル気候マーチ)は世界で1100万⼈以上がストライキを⾏い、⽇本でも24都道府県で約5000⼈参加しました。11⽉に⾏われたマーチはさらに開催地が増え、現在、31都道府県34地域で活動が⾏われています。

 「必要なのはシステムチェンジ。集団の1⼈として参加する環境⾏動へ」はグレタさんのメッセージ。マイボトル・マイバッグ持参、公共交通機関を利⽤、⾁の消費量を減らす、冷暖房の我慢などは個⼈でできる環境配慮⾏動です。しかし、家庭部⾨でのCO2排出量は15%程度。⽯炭⽕⼒発電所が1基新設されるだけで100万所帯分の省エネ努⼒が無駄になります。個⼈の⾏動が無駄にならないよう「システムチェンジを後押しする⾏動、社会を変えるアクション」が必要です。

●FFFKyoto の活動とは

 「Fridays For Futufe Kyoto(FFFKyoto)」は2019年3⽉発⾜。寺島さん(⽴命館⼤学2回⽣)はグレタさんの⾏動をきっかけにFFF を知り、2019年11⽉からFFFKyoto で活動を始めました。FFFKyoto のミッションは「どんな若者も、知り、話し合い、社会で声を上げる場所としてFFF のムーブメントを⼤きくし、京都の新しい⽂化として(⽣きたい)未来を創造する」。これまでに①グローバル気候マーチ②直接アプローチ(⾏政や企業に直接訴える。市⻑との対談、職員と意⾒交流、意⾒書・請願書・パブリックコメント、京都市環境審議会地球温暖化対策推進委員会委員に就任)③間接アプローチ(市⺠への啓発、スタンディング、ゴミ拾い)などを⾏ってきました。

●FFFKyoto への想い

 内藤さん(京都⼤学⼤学院⽣)は、⼩学⽣のころから家庭ゴミの分別や節電・節⽔に関⼼がありました。中学・⾼校⽣の時は⽣徒会で校則を変える運動に関わり、声を上げれば変えられることを体験。⼤学⽣のときにはClimate Youth Japan(2010年にCOPに参加した日本の青年たちが設立したNGO)で活動し、環境省との意⾒交換会に出席。2020年6⽉からFFFKyoto で活動を始めました。

 World Wide View on Climate and Enegy の調査(2015年)によると、⽇本では気候変動について「とても⼼配している⼈」は44%(世界では78%)で、6割が「気候変動対策は⽣活の質を脅かす」と認識。⽇本財団「18歳意識調査」(2019年)によると、⽇本の若者は⾃分で国や社会を変えられると思うと答えた⼈は18.3%で、調査した9ヵ国のなかで最下位。デモに参加したことがあるという若者やインターネット上で政治的な意⾒を表明したことがある若者も少数でした。

 FFFKyoto で活動する若者たちの想いは、「気候危機は私たちの命にかかわるもの、誰かの命を奪うもの」「私たちの地球がこの先どうなっていくのか、⼀度⽴ち⽌まって考えてほい」。しかし⼀⽅で、「環境問題についてまだちゃんと勉強していないけど、声をあげてもいいの?」「スタンディングって本当に意味あるの?」などの葛藤もあるようです。

Table Vol.453(2021年11月)より
一部修正・加筆

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