2021年2月20日(土)・21日(日)、「オーガニック・エコ・フェスタ2021」が徳島県小松島市の産地直売所「みはらしの丘あいさい広場」においてオンライン開催され、有機農業に関連する生産・流通・販売・技術研究の第一人者が有機農業の魅力をアピールしました。

有機農業技術と栄養価

 20日のテーマは最先端の農業技術が未来を創る「有機の力」。農業従事者・農業関連企業向けに講演会や栄養価コンテスト、有機農業技術者会議が行われました。

 「栄養価コンテスト2021」では200名の生産者が参加、83品目、434検体の農産物がエントリーされ、農産物の糖度・抗酸化力・ビタミンC・硝酸イオンを測定し、農産物のおいしさと栄養価をチャート化。愛媛県おおたに農園・大谷武久さんの早生ミカンがグランプリを受賞しました。

最先端技術と情報を共有

 第2部・有料コンテンツで行われた分科会では、コープ自然派事業連合・辰巳副理事長が流通カンファレンスで発言し、コープ自然派の組合員数増加は有機農業推進によるものだと解説。2011年、コープ自然派は「NPOとくしま有機農業サポートセンター」を設立し、10年間で140人の卒業生を送り出しました。現在、徳島県・兵庫県をメインに熊本県・愛知県・長野県・北海道を加えた集荷組織をつくり、定期便の運用で流通価格を抑え、若い世代が購入しやすい価格の実現に取り組んでいます。また、BLOF理論など野菜の栄養価・おいしさについてカタログを通じて組合員に伝える消費者教育にも取り組んでいます。さらに、有機・無農薬農産物の割合を増やすために各地域に有機の学校を設立し、生産物を学校給食で利用する仕組みづくりを計画しています。

変わる生産と消費の関係

 21日は「新しい農業と協同の力」をテーマに、パネルディスカッションやトークセッション、エシカル農産物コーナーの紹介など消費者向けの企画が配信されました。

 パネルディスカッション「思いを伝え、未来を拓く、産地と消費者の新しい関係〜エシカル農業の未来を展望する〜」は、4名のパネラーを迎え徳島県知事・飯泉嘉門さんのコーディネートで進められました。オーガニックエコフェスタ実行委員長・荒井義之さん(JA東とくしま代表理事組合長)は、生産者の収入源としての農業を支え、消費者の安全で安心な食を安定的に供給することがJAの役割で、その実現のためにはエシカル農業が不可欠だと話します。また、会場「みはらしの丘あいさい広場」に全国初の産直市場併設型コワーキングスペースをオープン、あいさい農園での農業体験、新規農業者のための技術ハウス制度など、まるごと支援体制の強化をはかっています。

 コープ自然派事業連合・小泉顧問は、コロナ禍における組合員のニーズについて話しました。全国の主要生協の供給高は前年割れを続けていましたが、2020年度(今年1月まで)は全国平均113.1%と大躍進。巣ごもり消費や外食の抑制、健康不安などから食料品の需要が増え、ネットスーパーの顧客も同様に急増。コープ自然派は青果の60%以上が有機JAS認証・無農薬であることから、組合員は安心を求めて利用しています。また、毎週同じ曜日・同じ時間・同じ配送員が非接触型で商品を届けていることもネットスーパーなどにはない安心感につながっています。米農家1反あたり2〜3万円の環境支払いを組合員からのカンパ(約600万円/年)で行い、ナベヅルやコウノトリの棲息しやすい環境を整備。NPOとくしま有機農業サポートセンターを設立し、有機農業生産者の育成にも取り組んでいます。

 株式会社ビビッドガーデン代表取締役社長・秋元里奈さんは、生産者と消費者が直接販売できるオンラインサロン「食べチョク」を運営、新型コロナの影響で販路を失った生産者が急増し、3ヵ月間で登録数が750軒から3000軒に増えました。送料の一部を負担する応援キャンペーンを始め、流通額は42倍に増えて現在も伸張中です。美味しい、珍しい商品はネット通販で購入できますが、特定の生産者から購入することは、こだわりや素材の良さとともに商品の背景やぬくもりある体験を楽しむことができると好評とのこと。今後は、販売先が不安定な直販サービスに既存の販売流通を合わせることで、安定した販路の選択肢をつくることが目標です。

(左)流通カンファレンス「売れる野菜≒売りたい野菜」分科会で発言するコープ自然派事業連合・辰巳副理事長。 (右)パネルディスカッション「思いを伝え、未来を拓く、産地と消費者の新しい関係〜エシカル農業の未来を展望する〜」に参加したコープ自然派事業連合・小泉顧問。

Table Vol.442(2021年6月)より
一部修正