ちょっと前のことですが、インターネット上に衝撃を受けた記事がありました。細かい部分はうろ覚えですが「『自宅で手作りしたパンにはすぐカビが生えるのに、大手メーカーのパンにはなかなか生えないのは添加物だらけだから』と無知な消費者が言うが、それは無菌を目ざして衛生環境に配慮した工場と、一般家庭の不潔なキッチンで作った物の違いだ」という主旨の文で、正直ドキッとしたのです。確かに我が家のキッチン、清潔を心がけてはいるが無菌ではない。工場生産品の添加物使用の有無はさておき、調理する足元に愛猫がスリスリ寄ってくるなんて我が家ではよくある光景もクリーンな工場では絶対にあり得ない訳で、何事も思い込みで決めつけず、多面的に考察せなあかんな~と思ったのです。

 で今年の秋、その「一般家庭の(我が家の?)キッチンは不潔問題」を目の当たりにする出来事がありました。時は遡って2月、いつもは大豆を一晩水に浸けるところから始める味噌作りですが、今年は濱醤油醸造所の「寒仕込み味噌5㎏」を注文してみました。プロが仕込んだ味噌をポリ袋から取り出し、家にある容器にピッチリと詰め替えるだけで作業は完了。毎度のことながら夏の天地返しもせず、10月に入って恐る恐る物置から出し、開けてビックリ!国産大豆・米麹・塩といった材料は例年の手前味噌と多分ほぼ同じ。置き場所も熟成期間も一緒。私の手や容器や作業台の洗浄・消毒も変わらないのに、表面にポフポフ生えるのが当たり前と思っていた白カビがまったく生えていないのです。そして、味噌は中まで均一に熟成しており、すこぶる美味♪が、やっぱうちの台所にはカビ菌が浮遊してるのねとショックでもありました。

 さて、話変わって皆さんのお宅では「鏡もち」どうされていますか?最近は個包装小餅入り鏡餅型プラカップタイプが主流だそうですが、縁起かつぎ屋の私としてはお供え感がイマイチな上に、ゴミが山のように出るのが嫌で、コープ自然派の昔ながらのどっしり2段重ねのを飾ります。数年前までは地元の小さな和菓子屋さんで購入してましたが、ある年の鏡開きで、お餅の中にビッシリとカビが生えた空洞を見つけてしまいました。2週間もお供えすれば表面はカビても仕方ないけど、中はね…。以来その店ではお気に入りだったお饅頭を買うのもやめました。コープ自然派の鏡餅は飾る前に熱湯をかけておけば随分持ちがよいみたい。来年も良い年になりますように。

料理研究家 うの まきこ
日本の伝統食を考える会会員。食品メーカーでアイスクリームなどの新製品開発等に従事したのち、料理研究家古川年巳氏に師事。わかりやすいレシピと、野菜をたっぷり使ったヘルシーで簡単な料理に定評がある。アトピーっ子のための簡単な除去食メニューも得意。コープ自然派奈良前理事長。

Table Vol.406(2019年12月)

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