島原かまぼこは今年70周年を迎えます。工場を案内してくださった島原本舗製造部工場長・岡崎さん(前列中央)と店舗前で記念撮影しました。

2019年10月11日(金)、コープ自然派しこく・えひめセンターは役職員・エリアコーディネーターによる産地見学を実施、「宇和島じゃこ天」「宇和島ちくわ」「自然派宇和島かまぼこ」などが人気の島原かまぼこ(宇和島市)を訪問、宇和海でとれた新鮮な生魚を原料につくる練り製品の工場を見学しました。

新鮮な魚と伝統の技術

 島原本舗は愛媛県の南予地方に位置する宇和島市に本社工場があります。ホタルジャコ(南予地方で「ハランボ」と呼ばれる)やアジ、エソなど小魚のすり身を揚げた「じゃこ天」は南予地方の郷土料理として有名です。松山市内を出発し、緑豊かな山々と宇和海に面したリアス式海岸を楽しみながら国道56号線を南へ進むと島原本舗に到着。工場は観光名所として見学者を積極的に受け入れ、併設の店舗でつくり立ての商品の試食・販売をしています。

 白衣やマスク、帽子を身に着けて工場見学。水揚げされたばかりの魚の頭と内臓を素早く取り除く職人さんたちの包丁さばきに、一同は感嘆の声をあげます。魚をさばく下ごしらえは、すべての職人が最初に覚える基本の作業だということです。さばかれた魚は魚洗機で冷水洗浄され、不要な骨や皮を取り除いてさらに水さらしすることで身に弾力が増し生臭さが取り除かれます。そして、ミンチ状にされた肉に塩を加えて電動式の石臼で練り上げます。1台900kgある電動石臼で約40分間磨り潰すことで、きめ細かい粘りと弾力が生まれるとのこと。この作業をかまぼこ業界特有の用語で「擂潰(らいかい)」といいます。練り上げられた魚肉はちくわやかまぼこに成型。かまぼこはエソの身を板にのせた後、火のトンネルをくぐり、じわっと焼いてから蒸気で約40分間蒸し上げます(関東のかまぼこは蒸した後、焼いているため焼色がついている)。かまぼこの身を職人が天然の竹に1本1本握り付けてつくる「手にぎりちくわ」は香ばしさと歯ごたえが特長。おでん用のちくわは機械ですり身を焼串に巻き取って形づくるため、身に粘りがないと成型できません。じゃこ天などの天ぷらは小骨ごとミンチにして石臼で練り上げた後、180℃のなたね油で揚げます。でき上がった商品はアツアツのまま一気に冷却。常温になる時間を短くして劣化を防いでいます。

刺し身でも食べられる新鮮な魚を仕入れ、職人の技術であっという間にさばかれていきます。

900kgの電動石臼8台で魚肉を練り上げます。

オリジナルの化学調味料無添加商品

 工場では1日にじゃこ天5000〜6000枚、じゃこ天スティック200kg、ちくわ3000本がつくられ、コープ自然派のオリジナル商品はその中の6〜7%を占めます。コープ自然派用に製造されている化学調味料無添加の商品は、他の調味料が混入しないよう朝一番に電動石臼で練り上げられています。

 現在、じゃこ天の原材料の「はらんぼ」は漁獲量が減り、価格が高騰。トロール船は1組まで減少し、ますます貴重な魚になっています。また、ほとんどの工程を手作業で行うため、熟練した職人が不可欠ですが、年々、人手不足が深刻化しています。地場産業として伝統の味と品質、買いやすい価格帯を守り続ける島原かまぼこの練り製品、年末年始の贈り物やおせち料理、おでんなどに活躍することでしょう。

Table Vol.405(2019年12月)