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くらしと社会

老朽原発うごかすな!大集合inおおさか

2020年9月6日(日)、「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか」がうつぼ公園(大阪市西区)にて開催され、約1600名が参加。この集会には幅広い層から賛同が寄せられ、コープ自然派おおさか・兵庫・京都・奈良も賛同、多くの組合員・役職員が参加しました。

コープ自然派関西4生協も賛同、各生協の組合員・役職 員が参加しました。
関西に避難された組合員や子どもたちも参加。

老朽原発を再稼動へ

 2016年、原子力規制委員会は40年を超える原発の運転を認可しました。しかし、この認可以降に関西電力の原子力発電所で蒸気発生器伝熱管のトラブルが発生、老朽原発再稼働の準備工事中に死亡を含む人身事故も起きています。さらに、関西電力役員などによる多額の金品受領が明らかになりました。

 このような状況下、関西電力は高浜原発1号機(運転開始から46年)・2号機(同45年)を来年1月、美浜原発3号機(同44年)を来年3月に再稼働させることを画策しています。原発は事故を起こす確率が高く、ひとたび事故を起こせば被害は深刻です。また、事故処理や使用済み核燃料の処分は現在の科学技術では対処できないことが福島原発事故で明らかになりました。原発が老朽化すれば、原子炉の圧力容器や配管の腐食が進むなど危険性は倍増、さらに、老朽原発が建設された当時には過小評価されていた地震の影響を見直す必要があります。

各団体からのアピール

 集会では、まず主催者・中嶌哲演さんが核燃料サイクル推進に固執する政府の動きを批判し、「原発再稼働反対の世論と運動は広がっている。未来のために老朽原発廃炉、原発ゼロを目ざしてさらに運動を前進させましょう」と挨拶。各地からのアピールでは「関電の原発マネー不正還流を告発する会」から末田一秀さんが発言。関西電力役員など20名余が福井県高浜町元助役やその関連会社から約3億6600万円の金品を受領したことが判明。そのお金は関西電力が主として発注した原発関係の工事費から出ていて、それを受け取るのは犯罪です。しかし、原発マネーのすべては解明されないまま。そこで、昨年12月13日、関電役員12人に対して特別背任罪、贈収賄罪、所得税法違反の疑いがあるとして3272人が告発状を提出しました(1月31日で3371人)が、現在まで大阪地検は告発状を正式に受理していません。

 「老朽原発40 年廃炉名古屋訴訟市民の会」「福井原発訴訟 滋賀」など訴訟に取り組む団体からもアピール。原発訴訟の弁護士として闘う井戸謙一弁護士は、福島原発事故後、廃炉作業は進行せず、健康被害を認めない国の姿勢や放射能汚染水の海洋放出および汚染土のばらまき、新規制基準に基づく「安全神話」などについて批判。また、これまでセシウムは水溶性と考えられてきましたが、福島原発事故ではかなりの量の不溶性セシウムが放出され、これを体内に取り込めば想定できない内部被ばくが起きることについて警鐘を鳴らします。

 老朽原発の地元・福井県高浜町と美浜町からもアピール。コロナ禍でボイスメッセージも届き、原発立地でも福島原発事故後は原発反対を訴える人たちへの視線が変化しているということです。また、「若狭の原発を考える会」は6年間にわたるアメーバーデモなどを通して地元の人たちの声を聴き、「老朽原発再稼働はやめてほしい!」との声が圧倒的多数だと報告しました。

幅広い層の人たちが賛同

 5月に開催予定だったこの集会は新型コロナウイルス感染拡大で延期。今回の開催についても実行委員会で議論を重ね、最終的に開催を決定したのは「老朽原発を動かすな!」への強い思いでした。そして、今回はかつてなかったほどの幅広い市民団体、労働団体、政党、個人に集会の意義を伝え、1036の賛同(団体・個人)が得られました。

 集会後のデモは思い思いのスタイルで「老朽原発うごかすな!」「原発やめよう!」などを訴え、御堂筋を歩く人たちの注目を集めました。

Table Vol.425(2020年10月)より
一部修正・加筆

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