「原発がこわい女たちの会」代表・松浦雅代さん。

和歌山県白浜町が原子力発電所の使用済み燃料中間貯蔵施設の計画地点となる危険性が高くなっています。2018年3月28日(水)、コープ自然派おおさか(当時はコープ自然派和歌山)では「原発がこわい女たちの会」代表・松浦雅代さんを講師に学習会を開催。松浦さんは、「原発を再稼働させないためにも中間貯蔵施設は受け入れられません。福島の状況は変わっていないのに国民にさらなる負担を強い、次世代に深刻な負担を引き継がざるを得ない状況にあります」と話しました。

行き場のない核のゴミ

コープ自然派おおさか・中井文美さんの進行で学習会がすすめられました。

 政府は核燃料サイクルを原子力政策の基本としています。核燃料サイクルとは、発電後の使用済み燃料を冷却するために原発施設内の貯蔵プールで5年間保管後、再処理してウラン、プルトニウムを取り出し、MOX燃料として再利用、高濃度の廃液はガラス固化体にして保管するというものです。

 六ヶ所再処理工場(青森県)は1993年の建設開始からさまざまなトラブルや不祥事が相次ぎ、竣工が延期され続けています。2021年の竣工を目ざしていますが、高レベル廃液をガラス固化する段階で溶融炉に原理的な欠陥があり行き詰まっているとのこと。そのため、六ヶ所再処理工場の使用済み燃料プールには使用済み燃料が再処理されないまま貯め続けられ、2017年には全容量1500tUの98.9%に達しました(保管上限の1300tUをすでに超過)。また、高浜・大飯原発の使用済み燃料プールは約7年間で管理容量を超えることが予想されます(継続して稼働が続けられた場合)。「もんじゅ」は冷却用ナトリウム漏れ事故を度々起こして2016年に廃炉が決定しています。

中間貯蔵施設はいらない

 昨年、関西電力は福井県知事に原発の使用済み燃料の中間貯蔵施設を福井県外につくることを約束し、その立地場所を今年中に公表するとしています。中間貯蔵施設は使用済み燃料を再処理するまで貯蔵しておく施設で、具体的な候補地を示すことが大飯原発3・4号機再稼働の条件になるということです。

 1967年、和歌山県日高町で始まった原発建設計画から海岸沿いの町(那智勝浦町、旧古座町)で関西電力による立地活動が進められました。1976年、旧日置川町(現白浜町)の建設計画では「乱開発から土地を守るため」という名目で地元住民から買い集めた土地等を日置川町議会が関西電力に転売することを決めました。「この時、関西電力が取得した土地は原発を阻止した後、中間貯蔵施設の計画地になることが心配されていました。また、関西電力は立地部を現地に駐在させ、反対派に対して教育費の援助や就職の斡旋、広報や教育活動などを行ってきました。現在、関西電力が新しく取得した日置川周辺の土地は過疎化が進んでいます」と松浦さんは話します。

永久的な核のゴミ捨て場

 中間貯蔵施設では、燃料棒264本を束にした燃料集合体21本をキャスクと呼ばれる容器に入れて保管します。キャスクは総重量100t超で約200個の貯蔵を計画、2重蓋で放射能を遮蔽し電気や水を使わずに空気の流れで冷却することで安全性が確保されると関西電力は説明。しかし、キャスクは蓋を開けて点検や修理することができない構造です。また、紀伊半島の海岸沿いは南海トラフ巨大地震が今後30年間に起きる確率が70~80%、白浜周辺では震度7、津波の高さ20mと予測され、その影響で冷却設備が破壊される危険があります。

 関西電力は中間貯蔵施設の貯蔵期間を30~50年間としていますが、法的な取り決めはなく50年後に搬出できる見通しはありません。「中間貯蔵」ではなく永久的な核のゴミ捨て場になる可能性が高いということです。そして、中間貯蔵施設ができることで、原発の貯蔵プールに空きができるため、さらに原発を動かし続けることが可能になります。

Table Vol.368(2018年6月)